自分のパソコンで検索したら上位に出ていたのに、業者の報告書では「圏外」と書かれている。
あるいはその逆で、お客様から「検索しても御社が出てこない」と言われた。こうした経験はありませんか。
この記事では、検索順位が人や場所によって違って見える理由と、順位を正しく比べるための計測条件を、中小企業の経営者やホームページ担当者向けに整理します。結論から言うと、検索順位は「いつ、どこで、どの端末で、誰が見たか」で変わるものです。
私は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作10年以上、延べ1,000件以上のサイトに関わってきました。順位をめぐるご相談で多いのが、「自分の画面の順位」と「報告書の順位」が食い違って不信感につながるケースです。
原因の多くは、誰かが間違っているのではなく、見ている条件が違うことにあります。その見分け方と、ズレを小さくする方法を順にお伝えします。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
結論|検索順位は「人・場所・端末・時間」で変わる

Google公式が認める「人によって結果が違う」理由
Googleは、検索結果が他のユーザーと異なる理由を説明するヘルプページを公開しています。そこでは、位置情報、言語、デバイスの種類、検索履歴といった「コンテキスト(検索時の状況)」が結果に影響すると説明されています。
たとえば、ある都市で「ピザ」と検索すれば、その場所に関連する結果が表示される、という例も挙げられています。つまり、人によって順位が違って見えるのは不具合ではなく、検索を便利にするための仕組みです。
「自社の順位は○位」と1つの数字で言い切れない
このため、「自社の順位は何位ですか」という質問には、本来「どの条件での順位ですか」という確認が必要です。同じキーワードでも、東京で見た順位と大阪で見た順位、スマホで見た順位とパソコンで見た順位が違うことは珍しくありません。
順位は1つの正解がある数字ではなく、条件をそろえたときに初めて比べられる数字だと考えてください。この考え方を持つだけで、報告書の数字との向き合い方が変わります。
この記事で押さえること
以降では、ズレが生まれる4つの理由、自分の画面を基準にしてはいけない理由、計測条件の決め方、自分で確かめる手順の順に説明します。最後に、Search Consoleの数字との付き合い方もお伝えします。
順位が人によってズレる4つの理由

理由1|検索した場所(位置情報)
もっとも影響が大きいのが場所です。Googleのヘルプは、位置情報に基づいてその場所に関連する結果を表示すると説明しています。
特に「地域名+サービス」や、地域名を入れなくても近くの店を探す検索では、場所による違いが大きく出ます。お店や事務所を構える地域でどう見えるかが、実際のお客様に近い順位です。
理由2|ログイン状態と検索履歴(パーソナライズ)
Googleアカウントにログインして、パーソナライズの設定が有効になっていると、検索履歴などの情報をもとに検索体験が調整されます。ヘルプには、その結果として順位や表示の順序が変わることがあるとも書かれています。
自社のサイトを何度も検索したりクリックしたりしている人ほど、自社のサイトを身近に感じる結果になりやすい点は、頭に入れておきたいところです。
なお、パーソナライズをオフにしても、言語や位置情報といったコンテキストによる調整は続くと説明されています。オフにすれば「全員に共通の順位」が見えるわけではありません。
理由3|端末(スマホとパソコン)
端末の種類も、結果に影響する要素として挙げられています。スマホでは地図や口コミの枠が上に出やすく、パソコンでは通常の青いリンクが多く並ぶなど、同じ「1位」でも画面上の見え方がかなり違います。
中小企業のサイトでは、お客様の多くがスマホで検索していることが少なくありません。順位を確認するときは、まず「お客様が使う端末」で見るのが基本です。
理由4|時間とデータセンター
Googleのヘルプによれば、検索結果には新しいコンテンツが日々追加され、変動は数分単位で起こりえます。また、ランキングのシステムが世界中のデータセンターに行き渡るまでに時間がかかるため、どのデータセンターが応答するかによっても結果が変わることがあります。
朝に見た順位と夕方に見た順位が違っても、それだけで異常とは言えません。1回の確認で一喜一憂せず、一定の期間の傾向で見ることが大切です。
たとえば、こんなズレが起こります
ある地方の美容室を例に考えます。オーナーが店のパソコンで「地域名 美容室」と検索すると、自店のページが3位に出ていました。
ところが、業者の報告書には「8位」と書かれています。調べてみると、オーナーは日頃から自店のサイトを何度も開いていて、報告書の数字は地域を指定しない条件で取られていました。
どちらも間違いではなく、見ている条件が違っていただけです。このように、まず条件を確認すれば、無用な不信感を避けられます。
自分の画面の順位を「正解」にしてはいけない理由

自社サイトは自分だけ上位に見えやすい
経営者や担当者は、自社のサイトを日頃から何度も開いています。そのため、パーソナライズや検索履歴の影響で、自分の画面では自社が上に出やすくなります。
「自分で検索したら1位だった」という安心感は、実際のお客様の画面では当てはまらないかもしれません。反対に、初めて検索する人の画面では、もっと下にいる可能性もあります。
報告書の順位と食い違うとき、まず疑うこと
SEO業者やツールの報告書と自分の画面が食い違うとき、すぐに「報告書が間違っている」「数字をごまかされている」と判断するのは早すぎます。まず、報告書の順位がどの地域、どの端末、どの日時の条件で取られているかを確認してください。
順位チェックツールの会社も、手動で見た順位との違いの理由として、取得した時間のズレや、地域・検索履歴によるパーソナライズを挙げています。ツールに限らず、確認の条件が違えば数字は変わります。
食い違いの原因を確かめる質問リスト
業者に確認するときは、次の点を聞いてみてください。順位の取得地域はどこか、端末はスマホかパソコンか、取得の頻度と時間帯はいつか、の3点です。
この3点にすぐ答えられる業者は、計測条件を意識して管理している可能性が高いと言えます。答えがあいまいなときは、報告書の数字だけで判断せず、自分でも条件をそろえて確かめましょう。
お客様に「出てこない」と言われたとき
お客様から「検索しても出てこない」と言われたときも、同じ考え方が役立ちます。どのキーワードで、どの端末で、どの場所から探したのかを、できる範囲で聞いてみてください。
同じ条件で自分も検索してみると、本当に出ていないのか、見つけにくい位置にいるだけなのかが分かります。順位だけでなく、検索結果での見え方を確かめるきっかけにもなります。
順位を正しく比べる計測条件の決め方

順位の変化を追うときに大切なのは、「正しい順位」を探すことではなく、「同じ条件で測り続ける」ことです。条件を固定すれば、動いたのが順位そのものなのか、条件の違いなのかを切り分けられます。
決める5項目
最低限、次の5つを決めておきます。1つ目は検索する地域、2つ目は端末(スマホかパソコン)、3つ目は検索する言語と国、4つ目は確認する頻度と時間帯、5つ目は記録の方法です。
地域は、お客様がいる場所に合わせます。
店舗や事務所が1か所なら、その最寄りの市区町村で十分です。全国向けのサービスなら、特定の地域に寄せず、全国共通の条件で見ます。
地域を決めるときの考え方(ローカル検索の場合)
Googleマップ上のお店の表示(ローカル検索)は、特に場所の影響を受けます。Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、ローカル検索の順位は「関連性」「距離」「知名度」で決まると説明されています。
距離は、検索した人から各お店までの距離です。ヘルプには、現在地を共有していない場合は、Googleが把握している現在地の情報をもとに結果が出るとも書かれています。
同じお店でも、検索する人の位置が数百メートル違うだけで順位が変わることは珍しくありません。ローカル検索の順位は、1地点の数字ではなく、複数の地点で見たときの傾向として捉えるのが現実的です。

スマホ検索を基準にするときの注意
スマホで順位を確かめるときは、検索結果の画面に広告や地図、口コミの枠が上に並ぶため、自社のページが画面のどの位置にあるかも合わせて見てください。順位が同じ3位でも、画面を何回スクロールすれば見えるかで、クリックされやすさは大きく変わります。
順位の数字だけでなく、「最初の画面で見えるかどうか」をメモしておくと、数字の裏にある見え方の違いが分かります。
頻度と時間帯をそろえる
確認の頻度は、目的で決めます。施策の効果を見たいなら週に1回程度、大きな変動を早く知りたいなら毎日、というように、無理なく続けられる間隔を選びます。
時間帯は、できるだけ毎回同じにします。検索結果は数分単位で変わりうるため、時間帯がばらつくと、変化の原因が分かりにくくなります。
記録は「同じ表」に、条件とセットで残す
最後に、記録の方法です。日付、キーワード、順位に加えて、地域と端末も一緒に残しておくと、後から見返したときに条件の違いに気づけます。
手作業で続けるのが大変なときは、順位を自動で記録してくれるツールを使うのも1つの方法です。ツールを選ぶ際の考え方は、次の記事にまとめています。

条件を決めたら、社内や業者と共有する
決めた条件は、社内の担当者や、依頼しているSEO業者と共有しておきます。「地域は事務所の最寄り、端末はスマホ、毎週月曜の午前に確認」のように、一文で言える形にしておくと、担当者が替わっても条件がぶれません。
条件がそろっていれば、報告書の数字と自分の確認結果を落ち着いて照らし合わせられます。ズレたときも、どの条件が違うのかを順に確かめるだけで済みます。
自分で順位を確かめる手順とSearch Consoleの見方

手動で確かめるときの手順
自分で確かめるときは、次の手順がおすすめです。
まずGoogleからログアウトするか、シークレットウィンドウを開きます。次に、お客様が使う端末(多くはスマホ)で、狙っているキーワードを検索します。
結果の画面で自社のページが何番目にあるかを、日付と一緒に記録します。ただし、シークレットウィンドウでも、IPアドレスから推測される場所の情報は残ります。
そのため、シークレットウィンドウにしただけで「誰が見ても同じ順位」になるわけではない点は、覚えておいてください。あくまで、自分の検索履歴の影響を減らすための方法です。
Search Consoleの「平均掲載順位」との違い
Search Consoleヘルプでは、平均掲載順位を、すべての表示についての掲載順位の平均として説明しています。1つの検索クエリで複数のページが出た場合は、そのクエリでの最上位の順位を使って平均を取ります。
また、ヘルプには、検索履歴や場所など多くの変数によって、順位が平均と異なる場合もあると明記されています。つまり、Search Consoleの数字も「いろいろな人の画面の平均」であり、特定の1人が見た順位とは一致しません。
さらに、掲載順位は、そのリンクが実際に表示されたときにだけ記録されます。この数字の読み方は、別の記事で詳しく解説しています。

2つの数字の使い分け
手動で確認した順位は「特定の条件での順位」、Search Consoleの平均掲載順位は「実際に表示された検索での平均」です。どちらが正しいかではなく、見ている範囲が違うと考えてください。
条件を固定して測る順位で変化の有無を見て、Search Consoleで実際のお客様にどう表示されているかを確かめるという使い分けが、もっとも誤解が少なくなります。
AI検索の回答にも、同じ考え方が当てはまる
AIによる回答(AI Overviewsやチャット型の検索)は、質問の言い回しや、その時々の状況によって、載る会社や紹介のされ方が変わることがあります。そのため、1回だけ試して「載った」「載らなかった」と判断するのは危険です。
従来の順位と同じように、質問の言い回しを決め、同じ条件で繰り返し確認して、傾向を見るようにしてください。
順位が急に動いたときの見方
条件をそろえて測っているのに順位が大きく動いたときは、サイト側の変更や、Googleのアップデートなどが疑われます。そうした場合の確認手順は、次の記事で整理しています。

よくある質問
シークレットウィンドウで検索すれば、正しい順位が分かりますか?
完全に正しい順位が分かるわけではありません。検索履歴やログインの影響は減らせますが、場所や言語、端末などの影響は残ります。
あくまで「条件をそろえるための1つの方法」と考え、いつも同じ方法で確認してください。
スマホとパソコンでは、順位は違いますか?
違うことがあります。Googleのヘルプも、デバイスの種類が結果に影響する要素の1つだと説明しています。
お客様が主にスマホで検索するなら、スマホでの順位を基準にするのが現実的です。
順位チェックツールの順位と、自分の画面の順位がずれています。ツールは信用できませんか?
ずれていても、ツールが間違っているとは限りません。ツールは決まった地域や端末の条件で順位を取得しているため、自分の画面とは条件が違うことが多いからです。
ツールの設定で、取得地域と端末が自分の知りたい条件に合っているかを確認してみてください。
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まとめ|順位は「条件をそろえて、続けて測る」ものと考える
検索順位は、場所、検索履歴やログインの状態、端末、時間などによって、人ごとに違って見えます。Googleのヘルプもこれらが結果に影響すると説明しており、自分の画面と報告書の数字が食い違うのは、不具合ではなく自然なことです。
大切なのは、1つの順位を「正解」と決めつけず、地域、端末、頻度、記録方法を決めて同じ条件で測り続けることです。そのうえで、Search Consoleの平均掲載順位で、実際のお客様にどう表示されているかを確かめます。
まずは今日、お客様が使う端末で、いちばん大事なキーワードを1つ検索して、条件と一緒に記録するところから始めてみましょう。
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