サーチコンソールでは平均掲載順位が5位なのに、実際に自分で検索すると8位だった。中小企業の経営者やWeb担当の方から、この食い違いについてのご相談をいただくことが増えました。
先に結論をお伝えすると、平均掲載順位は「実際の順位」ではありません。Googleが定めたルールにもとづいて計算された平均値であり、その前提を知らないまま数字だけを見ると判断を誤ります。
しかも2026年9月、Google自身が「昔の1位から10位という考え方は、いまの検索結果には当てはめにくい」と述べました。AIによる概要やAIモードが増え、検索結果ページの形が大きく変わったためです。
この記事では、平均掲載順位という数字が何を測っているのかをGoogleの公式ドキュメントに沿って整理し、そのうえで中小企業がこの数字とどう付き合えばいいのかを具体的な手順にまとめます。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
平均掲載順位とは?サーチコンソールが出している数字の正体

「最上位の順位」をクエリごとに平均した数字
Search Consoleヘルプは、掲載順位を「サイトへのリンクの、Googleにおける掲載順位の相対ランキング」と説明しています。そのうえでパフォーマンスレポートに出る数字は、検索結果内で自社に付与されたもっとも上位の掲載順位を、そのサイトが表示されたすべてのクエリで平均したものだと定義されています。
ヘルプに載っている例がわかりやすいので紹介します。あるクエリで自社のページが2位・4位・6位に出た場合、記録されるのは最上位の2位だけです。
別のクエリで3位・5位・9位に出たなら、記録されるのは3位です。この2つのクエリの平均掲載順位は、(2+3)÷2で2.5になります。
つまり平均掲載順位は、1つのキーワードの順位ではなく、あらゆる検索語句をひとまとめにした平均値だということです。ここを取り違えると、数字が動いた理由を読み違えます。
表示されなかったクエリは計算に入らない
Googleは「掲載順位が記録されるためには、そのリンクが実際に表示されなければならない」としています。検索結果が3ページあったのにユーザーが1ページ目しか見なかった場合、2ページ目以降にあった自社のページは順位として記録されません。
そのため、下位のキーワードで表示される回数が減ると、平均掲載順位はむしろ良くなることがあります。順位が上がったのではなく、悪い数字が母集団から抜けただけ、という現象です。
筆者が中小企業のサイトを見ていて、平均掲載順位の改善を素直に喜べないと感じるのは、まさにこの仕組みがあるからです。必ず表示回数とセットで確認してください。
広告や「関連する検索」には順位が付かない
ヘルプには、広告には掲載順位が付与されないと明記されています。また、クリックしても検索結果の中に留まるリンク(Googleが「クエリによる絞り込み」と呼ぶもの)にも順位は付きません。
たとえば「猫の品種」と検索したときに出る品種の画像ギャラリーは、クリックすると新しい検索が走るだけなので、順位の場所取りとしてはカウントされないという説明です。
この点は意外と見落とされます。画面の上のほうが広告や絞り込みリンクで埋まっていても、Search Console上は自社が1位、ということが起こり得ます。
強調スニペットは通常1位として数えられる
逆に、検索結果の最上部に出る強調スニペットは、元のページへのリンクを含むため通常は掲載順位1位として扱われるとヘルプに書かれています。
ここまでを整理すると、平均掲載順位は「画面上の見た目の位置」ではなく、Googleが定めた数え方のルールにもとづく指標だとわかります。同じ1位でも、目立つ1位とそうでない1位があるということです。
Googleが「昔の1位〜10位は当てはめにくい」と述べた(2026年9月)

きっかけは生成AIの表示回数についての質問
海外のSEO専門メディアSearch Engine Roundtableが2026年9月10日に報じたところによると、Googleのジョン・ミューラー氏がRedditで、生成AI機能の表示回数の数え方について質問に答えました。
その回答のなかで同氏は、生成AI機能の掲載順位については、多くの検索機能と同じようにひとつのまとまりとして扱っていて、生成AIパフォーマンスレポートでは分けて出していない、と説明しています。
検索結果での操作の仕方が増えたことが理由
続けて同氏は、いまの検索結果ページにはユーザーが操作できる方法がたくさんあるため、昔ながらの「1位から10位」という考え方を当てはめたり、サイト運営者にとって役立つ形にしたりするのが難しいと述べたと報じられています。
さらに、順位の測り方についてどうすれば役に立つか意見を聞かせてほしい、チームと話したい、とも書き添えています。Google自身がまだ答えを持っていない、ということです。
これは「順位を見るのをやめろ」という意味ではありません。青いリンクが10本並ぶだけだった時代の常識が、そのままでは通用しなくなったという現状認識だと筆者は受け止めています。
生成AIパフォーマンスレポートに掲載順位はない
Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは、2026年8月末に全世界のサイトへ展開が完了したと報じられています。AIによる概要やAIモードなどでの表示回数を、ページ・国・デバイス・日付ごとに確認できるレポートです。
ただしこのレポートには、掲載順位もクリック数も含まれていません。表示回数だけが見られる状態で、どのくらいの位置に出ていたのかは分からない仕様になっています。

ヘルプも「将来変更される可能性がある」と断っている
じつはSearch Consoleヘルプの冒頭には、カルーセル内の項目の表示要件や掲載順位の番号付けといったルールは将来変更される可能性がある、とはっきり書かれています。
つまり平均掲載順位は、固定された物差しではありません。測り方そのものが変わりうる数字だと理解しておくと、急な変化に慌てずに済みます。
同じ「11位」でも中身は別物|Google公式が挙げる4つの例

ヘルプが並べている4つのパターン
Search Consoleヘルプは、掲載順位の値が11になる可能性のある例として、次の4つを挙げています。同じ11でも、画面上の意味はまったく違います。
1つ目は、パソコン検索での右上のナレッジパネル。2つ目は、パソコン検索での2ページ目の最初の項目です。
3つ目は、パソコンの画像検索で2〜3行目にある画像。4つ目は、スマホの画像検索で6行目にある画像です。
目立つ位置なのに数字は低いことがある
ヘルプでは、ナレッジパネルの掲載順位は6位と計算されるけれど実際には非常に目立つ位置に出ている、という例も示されています。
順位は、ページのメイン部分を上から下へ、その次にサブ部分を上から下へ、という順番で数えられます。右側のパネルは後回しに数えられるため、見た目より低い数字になるわけです。
画像検索の順位は画面の幅で変わる
画像検索では、1行に並ぶ画像の数が画面の幅や各画像の横幅によって変わります。そのためヘルプは、画像検索の掲載順位から正確な位置を判断するのは困難だと書いています。
飲食店や工務店のように写真がよく見られる業種では、画像検索の表示回数が全体の平均掲載順位を動かしていることがあります。検索タイプを切り替えて見る習慣をつけてください。
だからヘルプは「数字だけを見て判断するな」と書いている
ヘルプは掲載順位について、複雑な指標なので微妙な部分まで理解していないと誤解を招くおそれがある、と注意を促しています。
そのうえで、絶対値だけでなく時系列での変動、とくに突然の変動を把握することをおすすめしますとはっきり書かれています。ここが実務上いちばん大事な一文です。
AIによる概要・AIモード・Discoverでの数え方

AIによる概要は1つの順位を全リンクで共有する
Search Consoleヘルプは、AIによる概要に付与される掲載順位は検索結果内で1つだけだと説明しています。つまりAIによる概要のなかに何本リンクがあっても、すべて同じ掲載順位として記録されます。
引用の中で何番目に出ていたかは、順位の数字には反映されません。3番目に紹介されていても、1番目のサイトと同じ数字が付きます。

AIモードは通常の検索結果と同じ方法で計算される
AIモードについては、掲載順位はGoogle検索の検索結果ページと同じ方法で計算されるとヘルプに書かれています。AIモード内のカルーセルや画像ブロックも、それぞれの要素の標準ルールに沿って計算されます。
また、ユーザーがAIモードのなかで追加の質問をすると、それは実質的に新しい検索が行われた扱いになります。新しい回答の表示回数・掲載順位・クリック数は、その新しい質問のデータとして集計されます。
DiscoverとGoogleニュースには順位が記録されない
ヘルプによると、Discoverの結果と、news.google.comやGoogleニュースアプリについては掲載順位が記録されません。掲載順位はGoogle検索の検索結果からのみ計算される、という前提があるためです。
ただしGoogle検索のなかにある「ニュース」タブは別で、こちらは標準の掲載順位ルールが適用されます。同じ「ニュース」でも扱いが違う点に注意してください。
Discoverからの流入が多いサイトでも、平均掲載順位の数字には影響しないということです。逆に言えば、Discoverの伸びは順位の指標では追えません。
Search Labsの試験機能はそもそも含まれない
ヘルプには、Search Labsの試験運用版のデータは開発中であるためSearch Consoleには含まれない、という注記もあります。AIによる概要とAIモードの両方の項目に同じ注記が付いています。
新しい機能で見かけた表示が、必ずしも数字に出てくるとは限らないということです。画面で見た印象とレポートがずれる理由のひとつがここにあります。
「レポートでは5位、実際は8位」が起きる理由

Google自身がこの食い違いを説明している
Search Consoleヘルプには「パフォーマンスレポートではページの掲載順位が5位なのに、実際の検索では8位になる」という見出しの項目があります。中小企業の現場でいちばんよく聞く疑問が、そのまま公式に書かれています。
答えはシンプルで、掲載順位値はすべての検索の平均値だから、というものです。一部の検索では、検索履歴や場所など多くの変数によって平均と違う順位になる、と説明されています。
パソコンとスマホを分けるだけで景色が変わる
平均掲載順位は、パソコンとスマホ、国、検索タイプをすべて混ぜた数字です。レポートでデバイスの絞り込みをかけると、まったく違う数字が出ることは珍しくありません。
店舗や地域密着型のサービスであれば、実際の見込み客の大半はスマホから検索しています。まずスマホだけに絞って見るほうが、現実に近い判断ができます。
ページ単位とサイト単位で数え方が違う
1つの検索要素に複数のリンクが含まれている場合、表示回数はプロパティ単位なら1回、ページ単位なら該当ページごとに1回ずつカウントされるとヘルプは説明しています。
同じ期間を見ていても、サイト全体で見るか個別ページで見るかで数字が変わります。前月と比べるときは、必ず同じ切り口で比べてください。
データは正規URLにまとめられている
Search Consoleは、ページのすべてのバリエーションを代表する正規URLを1つ選び、クリック数・表示回数・掲載順位のデータをそこに割り当てます。パソコン用とスマホ用でURLが違っても、データは同じURLにまとまります。
ユーザーがサイトに来た後に別のページへリダイレクトされた場合でも、データが割り当てられるURLは変わりません。表に出ているURLと、実際に見られているページがずれることがある点は覚えておいてください。
中小企業が平均掲載順位と付き合う5つの手順

1. 絶対値ではなく「急な変化」を見る
ヘルプが勧めているとおり、平均掲載順位は数字そのものより動き方を見る指標です。12.4が11.8になったことに一喜一憂するより、ある日を境に急に落ちていないかを探してください。
おすすめは、28日間と前の28日間を比べる見方です。日単位のノイズが消えて、本当の変化だけが残ります。
2. デバイスと国で分けてから比べる
混ざったままの数字を追いかけても、原因にはたどり着けません。パフォーマンスレポートで国を日本に、デバイスをモバイルに絞るところから始めてください。
この2つを固定するだけで、平均掲載順位のブレはかなり小さくなります。比較する条件を毎回そろえることが、判断を安定させるコツです。
3. 表示回数・クリック数・CTRと必ずセットで見る
順位が下がったのに表示回数が増えているなら、新しいキーワードで拾われ始めた可能性があります。順位が同じなのにクリックだけ減っているなら、検索画面の上のほうが変わったサインです。
平均掲載順位は単独では意味を持たず、他の3つと組み合わせて初めて原因が見えてきます。1つの数字だけで施策を決めないでください。
4. 主要キーワードは実際の検索結果でも確かめる
売上に直結する数語だけは、実際に検索して画面を見てください。自社が何番目に出ているか、上にAIによる概要や地図枠が入っていないかは、レポートの数字では分かりません。
このとき、ログイン状態や過去の検索履歴が結果に影響します。シークレットウィンドウで確認すると、より素の状態に近づきます。
5. 毎日記録して「いつ変わったか」を残す
Google自身が変動を見ることを勧めている以上、変動を追える記録が手元にないと話が始まりません。月に一度まとめて見る運用では、変わった日を特定できません。
主要キーワードの順位を毎日自動で記録しておけば、Googleの更新があった日と自社の変化を重ねて見られます。原因の切り分けにかかる時間が大きく変わります。

よくある質問(FAQ)
平均掲載順位が急に良くなったのに問い合わせが増えません。なぜですか?
下位で表示されていたキーワードの表示回数が減ると、悪い数字が平均から抜けて見かけ上の順位が良くなることがあります。同じ期間の表示回数が減っていないかを確認してください。
表示回数も一緒に減っているなら、順位が上がったのではなく、拾われる検索語句が減ったと考えるのが自然です。どのキーワードが消えたのかをクエリ別に見てみましょう。
AIによる概要に引用されると順位は上がりますか?
AIによる概要には検索結果内で1つの掲載順位しか付かず、その中のリンクはすべて同じ数字になります。概要が上部に出ていれば、数字としては上位に記録されやすくなります。
ただしそれは通常の検索結果で順位が上がったことを意味しません。クリック数が伴っているかを合わせて確認してください。
掲載順位の欄がダッシュ(-)になっているのはなぜですか?
そのクエリでユーザーが自社のリンクを表示したことが一度もないため、掲載順位が記録されていない状態だとヘルプは説明しています。
たとえばパソコンで表示回数が10回、モバイルで0回だった場合、パソコンには10と出て、モバイルにはダッシュが表示されます。エラーではありません。
順位チェックツールとサーチコンソールの数字が合いません。どちらが正しいですか?
どちらも正しく、測っているものが違います。サーチコンソールは実際に表示されたすべての検索の平均、順位チェックツールは特定のキーワードをある条件で検索したときの位置です。
全体の傾向はサーチコンソール、狙ったキーワードの現在地は順位チェックツール、という使い分けが現実的です。両方を並べて見ると、原因の切り分けがしやすくなります。
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まとめ|平均掲載順位は「実際の順位」ではなく、変化を見るための指標
平均掲載順位は、自社に付与された最上位の順位を、表示されたすべてのクエリで平均した数字です。実際に検索したときの順位とは、そもそも別のものを測っています。
そのうえ2026年の検索結果は、AIによる概要やAIモードによって形が大きく変わりました。Google自身が2026年9月に、昔ながらの1位から10位という考え方は当てはめにくいと述べています。
だからこそ、Search Consoleヘルプが勧めているとおり、絶対値ではなく時系列の変動、とくに突然の変動を見るのが現実的な使い方になります。国とデバイスをそろえ、表示回数・クリック数・CTRと一緒に見てください。
今日できる一歩として、サーチコンソールのパフォーマンスレポートを開き、国を日本・デバイスをモバイルに絞ったうえで、過去28日間と前の28日間を比べてみてください。それだけで、平均掲載順位の見え方が変わります。
そのうえで、売上に直結する数語だけは毎日の順位を記録しておくと、変化が起きた日を特定できるようになります。原因の切り分けができるようになると、Googleの更新に振り回されなくなります。
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