ホームページに「よくある質問」のページを作りたいけれど、何を書けばよいのか、SEOにどう効くのか分からない、という経営者や担当者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、FAQページの作り方を、質問の集め方・書き方・ページの設計・公開後の見直しまで、順を追って解説します。
FAQのリッチリザルトは、2026年5月7日以降、Google検索に表示されなくなりました。ただし、FAQページの価値がなくなったわけではありません。
お客様の迷いを減らし、問い合わせの質を上げるという本来の役割は、これからも変わりません。
私は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作10年以上・延べ1,000件以上のサイトに関わってきました。現場では、FAQを「検索結果で目立たせる道具」としてだけ作ってしまい、肝心のお客様の疑問に答えられていないケースをよく見かけます。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
結論|FAQページは「検索の見た目」ではなく「お客様の迷い」のために作る

2026年5月7日、FAQのリッチリザルトは検索結果から消えた
以前は、FAQの構造化データを入れると、検索結果の下に質問と答えが開閉式で表示されることがありました。ところが、Google検索セントラルのFAQPageのドキュメントには、2026年5月7日以降、この機能がGoogle検索に表示されなくなったという趣旨の案内が追加されました。
その後、2026年6月15日には、FAQPageのドキュメント自体が削除されています。理由は、FAQのリッチリザルトが検索結果に表示されなくなったためと説明されています。
実は、この流れは突然ではありません。2023年8月に、FAQのリッチリザルトの表示対象は、政府や医療など権威のあるサイトに絞られていました。
そして2026年、ついにすべてのサイトで表示が終わった、という経緯です。
つまり、「FAQを書けば検索結果で目立つ」という作り方は、もう通用しません。だからこそ、何のためにFAQを作るのかを、あらためて考える必要があります。
それでもFAQページに価値がある3つの理由
1つ目は、問い合わせの前に、お客様の不安を解消できることです。料金・納期・キャンセル・対応エリアなど、問い合わせる前に知りたいことが分かれば、迷っている人が離脱せずに済みます。
2つ目は、同じ質問への対応時間が減ることです。電話やメールで何度も聞かれる質問をFAQにまとめておけば、担当者の負担が減り、本当に相談したい人との会話に時間を使えます。
3つ目は、検索する人の「疑問の言葉」を、ページに載せられることです。人は「〜はいくらですか」「〜はいつまでに必要ですか」のように、疑問の形で調べることがよくあります。
お客様の言葉で質問を書いたFAQは、そうした検索に答えるページになりえます。
なお、Googleのスパムポリシーが問題にしているのは、検索順位だけを目的にした内容の薄いページです。お客様のための質問と答えであれば、FAQページを作ること自体に問題はありません。
Googleの生成AI向けガイドも「特別なことは不要」と説明している
2026年5月には、Google検索の生成AI機能に向けたウェブサイトの最適化ガイドが公開されました。解説記事によると、この中でGoogleは、AI検索で表示されるためにも、独自性があり価値のあるコンテンツが長期的に最も大きな影響を持つ、と説明しています。
一方で、構造化データの過度な重視や、llms.txtなどの特別なマークアップ、AIのために内容を細かく書き換えることは、不要だとされています。つまり、「AIに拾われるためのFAQ」という発想よりも、「お客様が本当に知りたいことに、正確に答えるFAQ」を作るほうが近道です。
構造化データそのものの基本は、別の記事で解説しています。FAQページに入れるかどうかの判断は、あとの章でお伝えします。

作る前に|質問を集める4つの情報源

FAQページの出来は、質問を何から集めるかで決まります。社内で「こんな質問が来そうだ」と想像して書いても、実際のお客様の疑問とはずれてしまいがちです。
次の4つの情報源から、実際に出てきた質問を集めてください。
①問い合わせの履歴|メール・電話・フォームを見返す
いちばん確かな情報源は、過去の問い合わせです。メールや問い合わせフォームの内容、電話のメモを、直近半年から1年分ほど見返して、繰り返し出てくる質問に印をつけます。
私の経験では、3回以上同じ質問が来ていれば、FAQに載せる価値があります。1回きりの特殊な質問は、FAQではなく個別に答えれば十分です。
②現場の声|接客・営業・見積もりの場で聞かれること
店舗なら接客中、訪問営業なら商談の場で、お客様が口にする疑問があります。問い合わせまでは至らなくても、「それって大丈夫ですか」とその場で聞かれることは、FAQの宝庫です。
スタッフに、お客様によく聞かれることを5つずつ書き出してもらうと、短時間で20〜30個の質問が集まります。
③サーチコンソールの検索語句|疑問の形の言葉を探す
サーチコンソールのパフォーマンスレポートで、検索語句に「とは」「いくら」「方法」「できる」「違い」といった疑問の言葉を含むものを絞り込みます。すでにサイトが表示されている疑問を見つけることができます。
ただし、サーチコンソールには、ごく少数の人しか検索していない語句は表示されない仕組みがあります。見えている語句がすべてではないことは、頭に入れておいてください。

④口コミ・レビュー・SNSの声|お客様が使う言葉を拾う
Googleマップの口コミやSNSの投稿には、お客様が自分の言葉で書いた不安や感想が残っています。「初めてで不安だった」「料金がよく分からなかった」のような言葉は、そのまま質問の見出しにできます。
専門用語ではなく、お客様が使っている言葉を選ぶと、検索する人の言葉とも合いやすくなります。
集めた質問は3つに仕分けてから書く
質問が集まったら、内容によって3つに仕分けます。仕分けすると、FAQページの見出しの順番も自然に決まります。
| 仕分け | どんな質問か | 質問の例 |
|---|---|---|
| 選ぶ前の不安 | 申し込む前に知りたい基本情報 | 料金はいくらか/対応エリアはどこか/初めてでも大丈夫か |
| 手続き・流れ | 申し込んだあとの進み方や条件 | 納期はどのくらいか/支払い方法は/キャンセルはできるか |
| 困ったとき | トラブルや変更があったときの対応 | 日程を変えられるか/不具合があったらどうなるか |
この表のとおり、多くのFAQは「選ぶ前」「手続き」「困ったとき」の3つに収まります。この順番にカテゴリを並べておくと、読む人が自分の知りたいところへたどり着きやすくなります。
質問の意図を整理する考え方は、検索意図の記事も参考になります。検索する人が「知りたい」のか「比べたい」のか「申し込みたい」のかを意識すると、答えの書き方が変わってきます。
書き方|1問1答を「結論から」書く6つのルール

ルール1|質問は、お客様の言葉で書く
質問の見出しは、社内の言葉ではなく、お客様が実際に口にする言葉にします。たとえば「施工保証について」よりも「工事のあとに不具合が出たら、直してもらえますか?」のほうが、読む人はすぐに自分の疑問だと気づけます。
質問文は、「?」で終わる文にすると、何についての答えかが一目で分かります。見出しを、名詞だけの「料金」「納期」で終わらせないのがコツです。
ルール2|答えの最初の1文で、結論を言い切る
答えは、最初の1文で結論を伝えます。理由や条件は、そのあとに続けます。
FAQを読む人は、じっくり読むのではなく、自分の疑問の答えだけを探しているからです。
| 悪い例 | 良い例 | |
|---|---|---|
| 質問 | キャンセルについて | 予約をキャンセルしたら、料金はかかりますか? |
| 答え | キャンセルに関しましては、状況によってご対応が異なります。まずはご相談ください。 | 3日前までのキャンセルは無料です。前日・当日は料金の50%をいただきます。 |
悪い例は、読んでも結局どうなるのか分かりません。良い例は、最初の1文で答えが出ているので、読んだ人はすぐに判断できます。
ルール3|数字・条件・例外まで具体的に書く
「できる限り対応します」「ケースによります」といった言い方は、FAQでは役に立ちません。金額、期間、回数、対象など、数字で書けることは数字で書きましょう。
例外がある場合は、その例外も書きます。「ただし、〇〇の場合は別料金です」と書いておけば、あとから「聞いていない」というトラブルを防げます。
数字が決まっていないものは、「決まっていません。見積もりの際にご説明します」と、決まっていないことそのものを正直に書くのも、信頼につながります。
ルール4|1つの答えは、短く。長い説明は別ページへ
FAQの答えは、3〜5文くらいにおさめるのが目安です。長くなる質問は、詳しく説明するページを別に用意して、FAQからはそのページへリンクします。
たとえば「料金はいくらですか?」への答えは、目安の金額と、金額が変わる条件を2〜3文で書きます。そのうえで、料金の詳しい説明ページへのリンクを置くと、読む人は必要な分だけ深く知ることができます。
ルール5|断定や誇大な表現を使わない
「必ず治ります」「絶対に安心です」「業界No.1です」のような断定や、根拠のない表現は、FAQでも避けます。景品表示法や、業種ごとの広告のルールにふれるおそれがあるからです。
医療・法律・お金に関わる質問は、一般的な説明にとどめ、個別の判断は専門家への相談をすすめる書き方にします。FAQに書く以上、後から訂正しにくい点も意識してください。
ルール6|誰が答えているかを分かるようにする
FAQの答えには、会社名や担当者名、確認した日付を載せておくと、読む人が安心します。E-E-A-Tの考え方でも、誰が書いたのかが分かることは、信頼の土台になります。
料金や制度のように変わるものは、「2026年10月時点の内容です」のように、確認した時点を書いておきましょう。古い情報が残ったままになる事故を防げます。
設計|1ページにまとめるか、質問ごとにページを分けるか

小さなサイトは「1ページ+カテゴリ見出し」でよい
質問が20〜30個までなら、1つのFAQページに、カテゴリごとの見出しをつけて並べるだけで十分です。ページ上部に、カテゴリへのリンク(目次)を置くと、読む人が目的の質問へ移動しやすくなります。
見出しは、見出しタグの順番を守ります。FAQページ全体のタイトルをh1、カテゴリをh2、個々の質問をh3にすると、構造が整理されます。

質問が増えたら、各サービスページの下にも置く
質問が増えてきたら、FAQページ1つにすべてを詰め込むよりも、関係するページの下に、そのページに関する質問だけを置くほうが読まれます。料金ページの下には料金の質問、サービスページの下にはサービス内容の質問、という具合です。
そのうえで、全体のFAQページを「質問の総合窓口」として残し、各ページからリンクでつなぐと、読む人はどこからでも探せます。
アコーディオン(開閉式)は使ってよい
質問をクリックすると答えが開く、アコーディオンの形にしても問題ありません。Googleのモバイル向けのドキュメントでも、スマホで内容を整理するために、コンテンツを取り除くのではなくアコーディオンやタブに移すことが案内されています。
ただし注意点があります。Googleは、クリックしたときに初めて読み込まれる内容は、読み込まないことがあると説明しています。
開く前から、ページのHTMLに答えが含まれている作りになっているかを確認してください。
確認する方法は、サーチコンソールのURL検査で、公開されているページのレンダリング結果にFAQの文章が表示されているかを見ることです。URL検査の使い方は、別の記事にまとめています。
FAQの数は「多いほどよい」わけではない
質問の数を増やすこと自体は、目的ではありません。Googleは、検索エンジン向けのコンテンツを避けるための確認項目として、文字数や量を目標にして書いていないか、と問いかけています。
実際に問い合わせで聞かれていない質問を、水増しで載せる必要はありません。「お客様から3回以上聞かれた質問」を基準にして、増えていくものを足していく運用が、無理なく続きます。
FAQから「問い合わせ」へつなぐ導線も忘れずに
FAQを読んでも疑問が解消しなかった人のために、ページの最後に、問い合わせフォームや電話番号への案内を置いておきます。「解決しなかった場合は、こちらからご相談ください」という一文があるだけで、離脱を減らせます。
構造化データはどうする?|FAQPageを入れるか迷ったときの判断

すでにFAQPageを入れている場合
過去にFAQの構造化データを入れていたサイトでは、「消さないとまずいのか」と心配されることがあります。FAQPageのドキュメント自体が削除されているため、公式の詳しい案内は、今は確認できません。
少なくとも、構造化データを入れたからといって、順位が上がる仕組みではありません。すでに入っているものを、慌てて消す必要は低いと考えられますが、入れっぱなしで中身が古くなっていないかは、点検してください。
これから新しく入れるなら、優先度は低い
これから新しくFAQページを作る場合、FAQPageの構造化データは、優先度の低い作業です。検索結果に見た目の変化が出ない以上、手間をかけるよりも、質問と答えの中身を磨くほうが効果的です。
Googleの生成AI向けガイドでも、構造化データを過度に重視する必要はないとされています。入れる場合は、ページに見えている質問と答えと、構造化データの内容が必ず一致するようにしてください。
WordPressのテーマやプラグインが自動で出力していないか確認する
WordPressでは、テーマやプラグインのFAQ機能が、構造化データを自動で出力する場合があります。自分では入れたつもりがなくても、出力されていることがあるのです。
気になるときは、サーチコンソールのURL検査や、構造化データのテストツールで、ページにFAQPageが出力されているかを確認できます。出力されていても、ページに見えている内容と一致していれば、特に問題はありません。
公開後|更新のルールと効果の見方

月に1回、新しい質問を足して古い答えを直す
FAQは、作って終わりではありません。月に1回、問い合わせの履歴を見返して、新しく増えた質問を足し、料金や制度が変わった答えを直します。
更新のたびに、答えの末尾に「確認した日」を書き直すと、情報が新しいことが伝わります。ただし、Googleは、内容を変えていないのに日付だけを新しくすることは、見直すべき兆候として挙げています。
実際に確認したときだけ、日付を直してください。
効果は「問い合わせの中身」で見る
FAQページの効果は、アクセス数だけでは判断できません。見たいのは、同じ質問での問い合わせが減ったか、問い合わせの質が上がったか、という変化です。
サーチコンソールで、FAQページの表示回数とクリック数を見る方法もありますが、FAQの目的は、検索流入を増やすことだけではありません。問い合わせの件数と内容を、月ごとに並べて記録しておくと、効果がよく分かります。
FAQページから問い合わせフォームへの移動を測るには、GA4で、問い合わせの完了をキーイベントに設定しておくと確認できます。
順位の変化は、記録して振り返る
FAQページを公開したり、質問を足したりしたら、「いつ何をしたか」と順位の動きを並べて記録しておくと、あとから効果を振り返れます。順位の記録を手作業で続けるのが大変なときは、AccessScopeの無料プランが使えます。
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よくある質問
FAQページは、必ず作らないといけませんか?
必須ではありません。ただ、料金・納期・手続きなど、お客様から繰り返し聞かれる質問があるなら、作る価値があります。
問い合わせがほとんどない段階では、無理に作らず、聞かれた質問が3つ以上たまってから作り始めても遅くありません。
FAQPageの構造化データは、今から入れたほうがよいですか?
優先度は高くありません。2026年5月7日以降、FAQのリッチリザルトはGoogle検索に表示されなくなったため、入れても検索結果の見た目は変わらないからです。
入れる場合は、ページに表示されている質問と答えに一致させ、内容を更新するたびに構造化データも合わせて直してください。
質問は、何問くらい載せればよいですか?
数の決まりはありません。最初は、実際によく聞かれる5〜10問から始めて、問い合わせで新しい質問が出るたびに足していくのが現実的です。
質問が30問を超えたら、カテゴリで見出しを分けるか、関連するページの下に分けて置くことを検討してください。
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まとめ|FAQは「お客様の迷いを減らす場所」として、質問を集めて磨き続ける
FAQのリッチリザルトは、2026年5月7日以降、Google検索に表示されなくなりました。ただ、お客様の疑問に先回りして答え、問い合わせの前に不安を解消するというFAQの価値は変わりません。
作り方は、問い合わせの履歴・現場の声・サーチコンソール・口コミの4つから質問を集め、「選ぶ前」「手続き」「困ったとき」に仕分けて、結論から短く書くことです。数字と条件を具体的に書き、長い説明は別ページへ誘導します。
ページの設計は、小さなサイトなら1ページ+カテゴリ見出し、質問が増えたら関連ページの下にも置きます。アコーディオンは使えますが、答えがHTMLに含まれているかをURL検査で確かめてください。
構造化データは、優先度の低い作業です。
まずは今日、直近半年の問い合わせメールを見返して、3回以上出てきた質問を5つ書き出してみてください。それがそのまま、FAQページの最初の5問になります。
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