「モバイルフレンドリーテスト」と検索窓に打ち込んで、以前使っていたはずのページにたどり着けず戸惑った経験はありませんか。実はGoogleは2023年12月、このツールとサーチコンソールの「モバイルユーザビリティ」レポートの提供をすでに終了しています。
中小企業のホームページ担当者や店舗オーナーの中には、今も「モバイル フレンドリー テスト」で検索してツールを探し続けている方が少なくありません。ツールが見つからないまま、スマホ対応のチェックそのものをあきらめてしまうのはもったいないことです。
この記事では、モバイルフレンドリーテストがいつ・なぜ終了したのか、そして2026年の今、スマホでの見やすさを自分で確認するにはどうすればよいのかを、Google公式の情報にもとづいてやさしく整理します。
あわせて、廃止されたツールの名前を今も看板に掲げている診断サービスへの注意点もお伝えします。読み終える頃には、ブックマークすべき無料ツールが具体的にわかるはずです。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
モバイルフレンドリーテストとは何だったのか

2015年から使われてきたGoogleの公式無料ツール
モバイルフレンドリーテストは、URLを入力するだけでそのページがスマートフォンで見やすい作りになっているかを判定してくれる、Googleが無料で提供していたチェックツールです。2015年前後、Googleが「モバイルフレンドリーアップデート」と呼ばれる検索アルゴリズムの変更を予告した時期に登場し、多くのホームページ担当者がこのツールで自社サイトの合否を確認してきました。
判定結果は「モバイルフレンドリーです」「モバイルフレンドリーではありません」というシンプルな表示で、文字が小さすぎる、クリックできる要素同士が近すぎる、横スクロールが必要になっている、といった具体的な問題点も一覧で示してくれる作りでした。多くの制作会社が納品時のチェックリストにこのツールを組み込んでいたほど、定番として定着していたツールでもあります。
専門知識がなくても使えたことが支持された理由
モバイルフレンドリーテストがここまで広く使われた理由の一つは、専門的な知識がなくても結果を理解できる作りだったことです。URLを入力して数秒待つだけで「合格」か「不合格」かがひと目でわかり、経営者自身がホームページ制作会社に発注する前の確認として使うケースも多く見られました。
無料で、会員登録も不要という手軽さも、中小企業や個人事業主に長く支持されてきた理由です。
サーチコンソールの「モバイルユーザビリティ」レポートとの違い
似た名前の機能として、サーチコンソールにも「モバイルユーザビリティ」というレポートがありました。単体のモバイルフレンドリーテストが1ページずつその場で判定するのに対し、モバイルユーザビリティレポートはGoogleが実際にクロールしたサイト全体のページを対象に、問題があるURLをまとめて一覧表示してくれる機能でした。
個別チェック用のツールと、サイト全体を俯瞰するレポート、という役割分担があったわけです。ところがこの両方が、2023年から2024年にかけて相次いで姿を消すことになりました。
なぜテストツールは終了したのか

2023年12月、Google公式に提供終了が明記された
Google検索セントラルのブログには、モバイルフレンドリーテストツールについて「2023年12月時点で、モバイル フレンドリー テストツールの提供は終了しました」と明記されています。あわせて、開発者向けに提供されていたMobile-Friendly Test APIも同じタイミングで利用できなくなりました。
サーチコンソールのモバイルユーザビリティレポートについても、この前後の時期に廃止されています。
廃止の理由|モバイルファーストインデックスが標準になったから
Googleがこれらのツールを終了させた背景には、検索エンジンの評価方法そのものの変化があります。かつてはパソコン向けサイトが主流で、モバイル対応は「特別な追加対応」という位置づけでした。
しかし今では、Googleのインデックス登録・評価は原則としてスマートフォン版のページを基準に行う「モバイルファーストインデックス」がすべてのサイトの標準になっています。すべてのサイトがモバイル基準で評価される時代になった結果、「モバイル対応かどうか」だけを個別に判定する専用ツールの役割そのものが薄れた、というのが実質的な理由です。
総務省の調査でも、個人のインターネット利用機器はスマートフォンが長年にわたりパソコンを上回っており、店舗や中小企業のサイトへのアクセスの大半がスマホ経由であることも珍しくありません。評価の土台がスマホに移った以上、「モバイル対応も一応チェックする」ではなく「まずスマホで見て、パソコンは補足として確認する」くらいの意識に切り替えておくとちょうどよいでしょう。
ページエクスペリエンスレポートへの統合、そして簡素化
サーチコンソールでは以前、モバイルユーザビリティ・ウェブに関する主な指標(コアウェブバイタル)・HTTPS化の状況をまとめて表示する「ページエクスペリエンス」というレポートも用意されていました。しかしこのページエクスペリエンスレポートも、サーチコンソール内の重複した情報を整理する目的で削除されています。
現在は、この中に含まれていた情報のうち、ウェブに関する主な指標レポートと、常時SSL化の状況を確認できるHTTPSレポートの2つが、それぞれ個別のレポートとして残る形に整理されました。
今すぐ確認できる証拠|旧URLの転送先

旧URLにアクセスすると、Chromeの公式解説ページに転送される
実際に、モバイルフレンドリーテストが使われていた旧URL(search.google.com/test/mobile-friendly)に今アクセスすると、以前のような判定画面ではなく、Chrome DevTools(開発者向け機能)の「Lighthouse」というツールを解説する公式ドキュメントページへ自動的に転送されます。転送先が、PageSpeed Insightsの中身を支えている診断エンジンである「Lighthouse」の説明ページだという点が重要です。
Googleが「今後はLighthouseベースの仕組みで確認してほしい」という方針を、URLの転送という形で示していると読み取れます。
役割はなくなったのではなく、後継ツールに引き継がれた
モバイルフレンドリーテストが担っていた役割は、消えてしまったわけではなく、より高機能なツールに吸収されたと考えるのが実態に近いといえます。次の章では、その受け皿となっている具体的な確認方法を、専門知識がなくても迷わず使える手順として紹介します。
今、スマホ対応を確認する3つの正しい方法

①PageSpeed Insightsでモバイルの使いやすさを診断する
最初に使うべきなのは、Googleが無料で提供している「PageSpeed Insights」です。確認したいページのURLを入力するだけで、モバイル表示とパソコン表示それぞれのパフォーマンスをスコアで診断してくれます。
表示速度の指標であるコアウェブバイタル(LCP・INP・CLS)に加えて、「タップできる要素同士の間隔が狭すぎる」「テキストが小さすぎて読みにくい」といった、旧モバイルフレンドリーテストが指摘していたのと同じ種類の使いやすさの問題も、改善提案の中で具体的に教えてくれます。
②リッチリザルトテストでスマホでの見え方を確認する
構造化データの確認ツールとして知られる「リッチリザルトテスト」も、実はスマホでの表示確認に役立ちます。URLを入力して診断すると、Googlebotが実際にそのページをどう読み込んだかをスクリーンショット付きで確認でき、レイアウト崩れや読み込みエラーがないかを視覚的にチェックできます。
構造化データを設定していないサイトでも、この「実際の見た目を確認できる」機能だけで使う価値があります。
③実機とChromeのデベロッパーツールで最終確認する
ツールでの診断とあわせて、実際に自分のスマートフォンでサイトを開いて確認する習慣も欠かせません。加えて、パソコンのChromeブラウザには「デベロッパーツール」という機能が標準で搭載されており、画面の端末アイコンを押すだけで、様々な機種のスマホ画面サイズを再現して表示を確認できます。
実機を何台も用意しなくても、この機能だけでほとんどの見え方の問題は発見できます。
サーチコンソールで見るべき今の指標

「ウェブに関する主な指標」レポートを定点観測する
サーチコンソールにログインしたら、左側メニューの「エクスペリエンス」内にある「ウェブに関する主な指標」レポートを定期的に確認しましょう。ここではサイト全体のページが「良好」「改善が必要」「不良」のどの評価に分類されているかを、モバイルとパソコンに分けて確認できます。
かつてのモバイルユーザビリティレポートが個別のエラーを一覧表示していたのに対し、現在のこのレポートは表示速度と使いやすさを一体で評価する、より実態に近い形に進化しています。
インデックスカバレッジも合わせてチェックする
スマホで表示が崩れているページや、極端に読み込みが遅いページは、そもそもGoogleにインデックスされていない可能性もあります。「インデックス」メニューの「ページ」レポートで、意図したページがきちんと登録されているかも定期的に確認しておくと安心です。
「良好」の判定は順位を保証するものではない
注意したいのは、これらの指標がすべて「良好」だったとしても、検索順位が保証されるわけではないという点です。Googleは検索順位を決める要因の一つとしてページエクスペリエンスを扱っていますが、あくまで数ある要因の一つに過ぎません。
数値の改善そのものを目的にしすぎず、実際に閲覧者がストレスなくページを読めているかという視点を忘れないようにしましょう。
中小企業がスマホ対応を自分で確認する4つの手順

手順1:確認するページをリストアップする
トップページ、主要なサービス・商品ページ、問い合わせフォーム、そしてよくアクセスされるブログ記事など、月に一度確認したいページを5〜10個ほどリストアップしておきます。全ページを毎回チェックするのは現実的ではないため、集客や問い合わせに直結する主要ページに絞るのがコツです。
手順2:PageSpeed Insightsで一つずつ診断する
リストアップしたURLを、PageSpeed Insightsに一つずつ入力して診断結果を記録します。スコアの数字そのものよりも、「改善できる項目」として指摘されている内容に目を通し、画像のサイズが大きすぎる、使っていないコードが残っている、といった具体的な指摘をメモしておきましょう。
手順3:改善が必要な項目は制作会社に相談する
指摘された内容の多くは、CMSのテーマ設定やプラグインの調整で解決できることが多く、専門知識がなくても制作会社やサイト管理者に「PageSpeed Insightsでこう指摘された」と伝えるだけで対応してもらえるケースがほとんどです。無理に自分で修正しようとしてサイトを崩してしまうより、指摘内容を正確に伝えることを優先しましょう。
手順4:月1回のペースで習慣化する
スマホ対応のチェックは一度やって終わりではありません。サイトを更新したり、新しい記事を追加したりするたびに、意図せずレイアウトが崩れることもあります。
月に一度、カレンダーに予定を入れてチェックする習慣をつけておくと、問題を早期に発見できます。
「モバイルフレンドリーテスト」をうたう診断には注意

廃止されたツールを根拠にした診断は実態とずれることがある
検索すると、今でも「モバイルフレンドリーテストで診断します」とうたう業者やツールを見かけることがあります。Google公式のツールがすでに終了している以上、独自の判定ロジックで代用している可能性が高く、Googleが実際に使っている評価基準と一致するとは限りません。
診断結果を営業のきっかけに使う業者に相談する際は、その診断がどのツール・どの指標にもとづいているのかを確認する姿勢を持っておくと安心です。
無料の公式ツールだけで十分に自分で確認できる
ここまで紹介したPageSpeed Insightsとリッチリザルトテストは、どちらもGoogleが無料で提供している公式ツールです。費用をかけて外部の診断サービスに依頼する前に、まずはこの2つを自分で使ってみることをおすすめします。
実際に数値と改善提案を見てみると、次に何をすればよいかが具体的に見えてくるはずです。
よくある質問
PageSpeed InsightsとGoogle Search Consoleは何が違いますか?
PageSpeed Insightsは、指定した1ページの表示速度や使いやすさをその場で診断する単発チェック用のツールです。一方Search Consoleは、サイト全体の実際のアクセスデータをもとに、複数ページの傾向を継続的に確認するための管理ツールという違いがあります。両方をあわせて使うことで、個別ページの診断とサイト全体の傾向把握の両方ができます。
モバイルフレンドリーテストのURLは今もアクセスできますか?
URL自体は残っていますが、アクセスすると2026年時点ではChromeのLighthouseというツールを解説する別のページに転送されます。以前のような判定結果は表示されないため、実質的に利用できない状態と考えてよいでしょう。
スマホ対応していないと、今も検索順位は下がりますか?
Googleはすべてのサイトをモバイル基準で評価する「モバイルファーストインデックス」を標準にしています。スマホで著しく読みにくい・操作しにくいページは、ユーザー体験の観点から不利に働く可能性があるため、対応を後回しにしない方が安全です。
リッチリザルトテストは構造化データを入れていなくても使えますか?
使えます。構造化データが未設定のページでも、Googlebotがそのページをどのように読み込み、どう表示しているかをスクリーンショット付きで確認できます。構造化データの有無にかかわらず、スマホでの見え方を確認する目的だけで利用しても問題ありません。
PageSpeed Insightsのスコアは100点を目指すべきですか?
スコアを100点にすること自体を目的にする必要はありません。Google公式も、スコアより実際の利用者が快適に閲覧できているかを重視するよう案内しています。改善提案のうち、対応しやすいものから優先的に取り組む考え方で十分です。
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まとめ|モバイルフレンドリーテストは終わっても、確認の習慣は続ける
モバイルフレンドリーテストは2023年12月に提供が終了し、サーチコンソールのモバイルユーザビリティレポートやページエクスペリエンスレポートも整理されました。しかしこれは「スマホ対応を確認する必要がなくなった」という意味ではなく、確認の方法がPageSpeed Insightsやリッチリザルトテストといった、より高機能なツールに引き継がれたということです。
旧URLが今もChromeのLighthouse解説ページへ転送されている事実は、Googleが今後どのツールを軸にしてほしいと考えているかを静かに示しています。まずは主要なページだけでも、PageSpeed Insightsで月に一度確認する習慣をつけてみてください。
ツールの名前が変わっても、目的は昔から変わりません。スマートフォンで見に来た人が、ストレスなく内容を読めて、迷わず問い合わせや購入にたどり着けるかどうかです。その視点さえ忘れなければ、ツールの入れ替わりに振り回されることはなくなります。

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