「競合のホームページはいつも検索の上位にいるのに、うちのサイトはなかなか出てこない」。そんなモヤモヤを抱えたまま、何から手を付ければよいのか分からずにいませんか。
結論からお伝えすると、競合サイトの分析は無料のツールとGoogle検索だけでも十分に始められます。大切なのは高価なツールをそろえることではなく、「どこを見て、何と比べるか」という手順を知っておくことです。
この記事では、SEOが専門ではない中小企業の経営者・店舗オーナーの方に向けて、無料でできる競合サイト分析の方法を順番に解説します。読み終える頃には、今日から自分の手で競合と自社の差を確かめられるようになっているはずです。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
競合サイト分析とは?目的と分かること

検索順位は「比べ合い」で決まる
Googleの検索結果は、ページ単体の絶対的な点数ではなく、同じキーワードを狙う他のページとの比べ合いで決まります。自社のページがどれだけ良くできていても、競合がそれ以上の内容を提供していれば、上には表示されにくいのが実情です。
だからこそ、順位を上げたいなら「今、上位にいるサイトが何をしているか」を知ることが出発点になります。競合サイト分析とは、その差を具体的に確かめる作業のことです。
検索順位が決まる仕組みそのものは、次の記事で詳しく解説しています。

「事業上の競合」と「検索上の競合」は別物
分析を始める前に押さえておきたいのが、事業上の競合と検索上の競合は必ずしも一致しないという点です。事業上の競合とは、同じ商品やサービスを扱う同業他社のことを指します。
一方、検索上の競合とは、自社が狙うキーワードで実際に上位表示されているサイトのことです。たとえば「地域名+外壁塗装」で検索すると、同業他社だけでなく、一括見積もりサイトやポータルサイトが上位に並ぶことも珍しくありません。
分析すべきは会社としてのライバルではなく、検索結果で同じ枠を取り合っている相手です。ここを取り違えると、的外れな分析に時間を使ってしまいます。
競合分析で分かる3つのこと
競合サイトの分析からは、主に3つの情報が得られます。1つ目は、競合が扱っていて自社に足りないキーワードや話題です。
2つ目は、上位表示に必要な内容の「合格ライン」です。どのくらいの情報量で、読者のどんな疑問に答えているかが具体的に見えてきます。
3つ目は、改善の優先順位です。やみくもにページを増やすのではなく、競合との差が大きいところから埋めていくという判断ができるようになります。
言い換えると、競合分析は「頑張る場所を決めるための地図」です。限られた時間で成果を出したい中小企業にこそ、先に地図を手に入れる価値があります。
分析する競合サイトの決め方

まずは狙うキーワードで実際に検索する
競合の決め方はシンプルです。自社が上位を狙いたいキーワードでGoogle検索し、上位10位までに表示されたサイトを書き出します。
このとき、ブラウザのシークレットモード(プライベートモード)を使うのがおすすめです。普段の閲覧履歴の影響を減らした、より標準に近い検索結果を確認できます。
サーチコンソールで「既に戦っている土俵」を確認する
自社サイトをGoogleサーチコンソールに登録している場合は、「検索パフォーマンス」の画面も競合探しに役立ちます。表示回数が多いのにクリックが少ないキーワードは、検索結果に出てはいるものの、競合に負けて選ばれていないキーワードだからです。
そうしたキーワードで実際に検索してみると、いま自社の上にいるサイトの顔ぶれが分かります。既に少しでも評価されている土俵で比べるほうが、改善の効果も出やすくなります。
分析対象は3〜5サイトに絞る
書き出したサイトの中から、自社と立場や規模の近いサイトを3〜5つ選びます。対象を増やしすぎると1サイトあたりの分析が浅くなり、結局どれも行動に移せなくなりがちです。
競合分析は「たくさん集める」より「少数をじっくり比べる」ほうが成果につながります。まずは3サイトからで十分です。
除外してよいサイトの目安
上位に表示されていても、分析対象から外してよいサイトがあります。代表例は、Wikipediaのような辞書系サイトや、全国規模の大手ポータルサイトです。
こうしたサイトはサイト全体の力が強すぎて、個別の工夫を真似しても同じ結果にはなりにくいためです。参考程度に眺めるにとどめ、自社と規模感の近いサイトを比較の中心にしましょう。
迷ったときは、「1年後にこうなっていたい」と思えるサイトを1つ入れておくのもおすすめです。目標が具体的になると、分析にも張り合いが出ます。
無料でできる競合サイト分析の方法5つ

ここからは、費用をかけずにできる具体的な分析方法を5つ紹介します。すべてを一度にやる必要はなく、上から順に試すだけでも多くの気づきが得られるはずです。
方法1|上位ページの見出し構成を書き出す
もっとも基本的で、もっとも効果が大きいのがこの方法です。上位3サイトのページを開き、目次や見出しをメモ帳に書き出して、自社のページと並べて見比べてみてください。
競合が扱っていて自社が触れていない話題があれば、それが内容の「抜け」です。逆に、どの競合も書いていないけれど自社なら書ける話題が見つかれば、それは差別化のチャンスになります。
たとえば飲食店のページなら、競合には「駐車場の案内」「予約方法」「アレルギー対応」の見出しがあるのに、自社には無い、といった発見がよくあります。書き出してみると、思っている以上に差がはっきり見えるものです。
ただし、見出しをそのまま真似するのは避けましょう。目的はコピーではなく、読者の疑問に対する「答えの抜け漏れ」を見つけることです。
方法2|タイトルと説明文の見せ方を比べる
検索結果の画面は、いわば「看板の並び」です。上位サイトがどんなタイトルと説明文でクリックを誘っているかを観察するだけでも、多くのヒントが得られます。
数字の入れ方、地域名の有無、「無料」「初心者向け」といった言葉の選び方など、クリックしたくなる工夫が詰まっています。タイトルの付け方のコツは、次の記事で具体例つきで解説しています。

方法3|無料ツールでキーワードのヒントを集める
キーワード調査も、無料の範囲でかなりのことができます。日本語のサジェスト(検索候補)を一覧で取得できる「ラッコキーワード」や、Google広告の「キーワードプランナー」が定番です。
競合サイトのアクセス傾向を推定できる「Similarweb」のようなツールにも無料版があります。ただし無料版には表示件数や回数の制限があるため、細かな数値は目安として捉えてください。
ここでの目的は、数値の正確さよりも「競合はこの言葉で集客していそうだ」という当たりを付けることです。当たりが付けば、自社が狙うべきキーワードの候補も絞れてきます。
方法4|表示速度と見やすさを比べる
内容だけでなく、ページの使い心地も大切な比較ポイントです。Googleが無料で提供する「PageSpeed Insights」にURLを入力すると、表示速度に関する評価を自社・競合どちらのサイトでも確認できます。
あわせて、スマートフォンで実際に両方のサイトを開いてみてください。文字の大きさ、電話ボタンの押しやすさ、問い合わせまでの手数など、数値には出ない差が体感で分かります。
なお、表示速度だけで順位が決まるわけではありません。極端に遅い場合の改善は大切ですが、内容の充実とあわせて取り組む項目だと捉えてください。
方法5|生成AIに読ませて比較する
ChatGPTなどの生成AIに競合ページの内容を読み込ませ、「このページの想定読者と訴求ポイントを整理して」と頼む方法も、近年よく使われるようになってきました。
自分では気づきにくい構成の特徴や訴求の違いを、短時間で言葉にしてくれます。ただしAIの回答には誤りが混ざることもあるため、必ず元のページを自分の目でも確認してください。
分析結果を自社サイトの改善につなげる手順

見つけた差を3つに整理する
分析で見つかった差は、「足りない話題・キーワード」「内容の質と量の差」「サイトの使いやすさの差」の3つに分けて書き出すと、次の行動が決めやすくなります。
きれいな資料にまとめる必要はありません。手書きのメモでも、3つの箱に振り分けるだけで「どこから手を付けるか」が見えてきます。
新規作成よりリライトから着手する
改善の第一歩としておすすめなのは、既存ページの手直し(リライト)です。すでにGoogleに認識されているページを充実させるほうが、ゼロから新しいページを作るよりも変化が表れやすい傾向があります。
競合との比較で見つかった「足りない話題」を、既存ページに見出しごと追加していきましょう。たとえば競合が「費用の目安」「施工事例」「よくある質問」を載せていて自社に無いなら、その3つを足すだけでも読者の受け取る情報量は大きく変わります。
効果は検索順位の記録で確かめる
リライトや新しいページの効果は、感覚ではなく検索順位の推移で確かめましょう。手を入れたページの順位を記録しておけば、施策が効いたのかどうかを数字で振り返れます。
順位の確認は、Googleサーチコンソールの「平均掲載順位」でも大まかに把握できます。ただし日々の細かな推移を追うには向いていないため、変化を見逃したくないキーワードは個別に記録しておくと安心です。
ただ、毎日手動で順位を調べ続けるのは現実的ではありません。順位を自動で記録する仕組みを用意しておくと、改善と確認のサイクルが無理なく続けられます。
AI検索時代の競合分析で押さえたいこと

AIの回答に「どの会社が出ているか」を見る
2024年8月からは、検索結果の上部にAIが回答をまとめて表示する「AIによる概要(AI Overviews)」が、Google検索の日本語版でも段階的に導入されています。ChatGPTのような対話型AIでお店や会社を探す人も増えています。
これからの競合分析では、検索順位に加えて「AIに質問したとき、どの会社の名前が挙がるか」も見ておきたいポイントです。実際に「地域名+業種+おすすめ」のような質問をAIに投げかけ、出てくる顔ぶれをメモしておきましょう。
AIにおすすめされるための基本的な考え方は、次の記事で詳しく解説しています。

月1回の定期チェックを習慣にする
競合分析は、一度やって終わりではありません。検索結果は日々変わり、競合サイトもページを増やし続けているためです。
おすすめは、月に1回・30分だけの定期チェックを予定に入れてしまうことです。主要キーワードの検索結果と競合の新着ページを眺めるだけでも、大きな変化には十分気づけます。
競合サイトのブログ一覧やお知らせページをブックマークしておくと、確認は数分で済みます。「先月から何が増えたか」だけを見る、と決めておくのが続けるコツです。
毎回の分析を楽にする意味でも、順位の記録は自動化しておくのが現実的です。数字が貯まっていれば、競合との差が開いたのか縮まったのかをすぐに振り返れます。
よくある質問(FAQ)

競合分析にはどのくらい時間がかかりますか?
初回は3サイトを対象に、2〜3時間ほど見ておくと落ち着いて進められます。2回目以降は前回との違いを確認するだけなので、30分〜1時間程度で済むことが多いはずです。
一度にすべてをやろうとせず、「今日は見出しの比較だけ」のように分けて進めても問題ありません。
無料ツールだけで本当に足りますか?
中小企業のサイト運営が目的であれば、無料の範囲で十分に実用的な分析ができます。有料ツールは、扱うキーワードやページの数が増えて、効率化が必要になってから検討しても遅くありません。
ツールをそろえることよりも、実際の検索結果を自分の目で確かめる習慣のほうが大切です。まずは無料の範囲で一巡やってみて、足りないと感じた部分だけ有料ツールを検討するのが現実的な順番です。
競合の真似をすれば順位は上がりますか?
見出しや内容をそのまま真似しても、後発の似たページと受け取られるだけで、上位に並ぶのは難しいのが実情です。同じような内容であれば、先に公開されて実績のあるページのほうが有利な傾向があります。
競合分析の目的は真似ではなく、「競合が答えていない読者の疑問」を見つけて、自社だけの答えを足すことです。
まとめ|競合分析は「差を1つ見つけて埋める」ことから
競合サイトの分析は、特別なツールがなくても、検索結果と競合ページを自分の目で見比べることから始められます。見出し構成・タイトル・キーワード・使いやすさ、そしてAIの回答。見る場所さえ知っていれば、差は必ず見つかります。
筆者は全日本SEO協会の認定SEOコンサルタントとして、Web制作とSEOに10年以上、延べ1,000件以上のサイトに携わってきました。その経験からも、成果を分けるのは分析の量ではなく、見つけた差を1つずつ実際に埋めていく実行力だと感じています。
分析と改善の効果は、検索順位の記録で確かめましょう。まずは自社の現在地を知るところから始めませんか。
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