2026年9月24日、Googleが「2026年9月スパムアップデート」の展開を始めました。自社サイトの検索順位が急に動いたとき、これが原因なのか、それとも別の理由なのかを、中小企業の経営者やホームページ担当者が自分で切り分けるための手順をまとめます。
公式の案内では、今回のアップデートは全世界・全言語が対象で、展開が終わるまで最大2週間かかる可能性があるとされています。この記事を書いている9月30日の時点でも、完了の発表は確認できていません。
私は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作10年以上・延べ1,000件以上のサイトに関わってきました。順位が動いた直後の相談でいちばん多いのは「何か悪いことをしてしまったのでしょうか」という不安で、まず落ち着いて事実を並べる順番をお伝えするのが私の役目です。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
2026年9月スパムアップデートで何が起きているのか

公式の案内は、ごく短いものだった
Googleの検索ステータス ダッシュボードには、9月24日(米国太平洋時間)に「2026年9月のスパムアップデートを公開した。全世界・全言語に適用され、展開の完了まで最大2週間かかる可能性がある」という趣旨の短い案内が載りました。
いま分かっている公式情報は、ほぼこの内容だけです。
海外メディアの報道によると、ブログでの詳しい解説や、新しいポリシーの追加、狙われた違反の一覧は出ていません。つまり「何が対象になったのか」を、外から正確に言い当てることは今の時点ではできません。この点を最初に押さえておくと、ネット上の断定的な解説に振り回されにくくなります。
今年4回目、そして今年いちばん長い展開
2026年のスパムアップデートは、3月、6月、8月に続いて今回が4回目です。検索ステータス ダッシュボードの記録では、6月は約2日、8月は約2日半で完了していました。
今回は「最大2週間」と、これまでとは桁が違います。長くなる理由は公表されていませんが、複数の仕組みを順番に更新しているためではないか、というGoogleのジョン・ミューラー氏の見方が海外メディアで紹介されています。
これはあくまで推測の域を出ないため、私は「途中経過の数字で判断しない理由がもう1つ増えた」くらいの受け止めで十分だと考えています。
スパムアップデートは、何を見ているのか
Googleは、スパムポリシーに違反するコンテンツを、SpamBrainをはじめとする複数のスパム検出の仕組みで見つけていると説明しています。これらの仕組みは、スパムの手口の変化に合わせて継続的に更新されています。
スパムポリシーに違反したサイトは、検索結果で順位が下がったり、検索結果にまったく表示されなくなったりする場合があります。検出は自動システムが中心で、必要に応じて人による審査が入り、その結果が「手動による対策」になることもあります。
ふつうにお客様のためのホームページを運営している会社であれば、多くの場合は直接の対象にならないはずです。ただし、過去に外部へ任せた施策や、量産したページが残っていないかは、この機会に一度だけ確認しておく価値があります。
過去のアップデートとの違いを、どう受け止めるか
今年の3月、6月、8月のスパムアップデートは、いずれも数日以内に展開が終わっていました。そのため、これまでのように「発表から数日後に数字を見比べる」という進め方が、今回はそのままでは使えません。
2週間かかるということは、その間、順位が上がったり下がったりを繰り返しても不思議ではないということです。途中の数字はあくまで途中経過であり、最終結果ではありません。この前提を持っているだけで、日々の数字に一喜一憂して余計な作業を増やしてしまう失敗を、かなり防げます。
なお、8月末には、サイトの評判の不正使用に関する手動による対策の運用が、EEA(欧州経済領域)向けに変更されました。日本国内向けのサイトには従来どおり関係する話で、詳しくは次の記事にまとめています。

順位が動いたら、まず3つの切り分けをする

スパムアップデートの時期に順位が動くと、原因をすべてアップデートのせいだと考えたくなります。しかし実際には、同じ時期に別の要因が重なっていることが少なくありません。
ここでは、専門知識がなくてもできる3つの切り分けを、順番にご紹介します。
①日付を照合する
まず、検索ステータス ダッシュボードで今回のアップデートの開始日(9月24日)を確認します。次に、サーチコンソールの「検索パフォーマンス」で、クリック数と表示回数を日別のグラフで見て、下がり始めた日がその前後かどうかを照らし合わせます。
下がり始めた日がアップデートより前であれば、少なくともそれは今回のアップデートが原因ではありません。逆に、9月24日以降に動いた場合でも、展開中は日によって揺れるため、この時点では「疑わしい」までにとどめておきましょう。
サーチコンソールでは、期間の比較機能を使うと、たとえば「9月24日以降」と「その直前の同じ長さの期間」を並べて見られます。曜日による差が出やすいので、同じ曜日の数が揃う期間で比べるのがコツです。
②「サイト全体」か「一部のページ」かを見る
次に、サーチコンソールで「ページ」別と「検索語句」別に絞り込み、下がったのがサイト全体なのか、特定のページや特定のフォルダだけなのかを確認します。全体がまんべんなく下がっているのか、地域ページや量産した記事の一群だけが下がっているのかで、疑うべき場所が変わります。
なお、サーチコンソールの「平均掲載順位」は複数の検索語句や日付をならした数字なので、主力キーワードの下落が埋もれてしまうことがあります。この見方の注意点は、次の記事で詳しく整理しています。

③自社側の変更と重ねてみる
三つめは、自社が同じ時期に何かを変えていないかの確認です。ホームページのリニューアル、URLの変更、テーマやプラグインの更新、noindexの設定、業者による一斉の修正などは、アップデートとは無関係に順位を動かします。
私が相談を受けるときも、まず「9月に入ってから、サイトで何か触りましたか」と伺います。ここで心当たりが見つかれば、原因はアップデートではなく自社側の変更だったと分かり、対処もずっと単純になります。
スパムポリシーから、自社サイトの点検リストを作る

Googleの公式ドキュメント「スパムに関するポリシー」には、クローキング、誘導ページ、期限切れドメインの悪用、ハッキングされたコンテンツ、隠しテキストとリンク、キーワードの乱用、リンクスパム、大量生成コンテンツの不正使用、スクレイピング、サイトの評判の不正使用、不正なリダイレクト、価値の薄いアフィリエイト、ユーザー生成スパムなど、十数項目が並んでいます。
すべてを暗記する必要はありません。中小企業のサイトで実際に起きやすいものに絞って、点検する習慣をつくれば十分です。
中小企業のサイトで起きやすい5つ
1つめは、大量生成コンテンツの不正使用です。AIで書いた記事を、内容の確認もせずに何十本も一気に公開していないかを確かめます。
Googleは、AIを使うこと自体を禁じているわけではなく、順位操作を目的に価値の低いページを大量につくることを問題にしています。

2つめは、誘導ページ(ドアウェイ)です。「〇〇市 リフォーム」「△△市 リフォーム」と、地名だけを差し替えた似たページを数十枚つくっていないかを見ます。
この線引きは、次の記事に詳しくまとめています。

3つめは、サイトの評判の不正使用です。自社ドメインの一部を、無関係な他社の記事やクーポンページに貸していないかを確認します。
4つめは、ハッキングされたコンテンツで、覚えのないページや、見知らぬ外部サイトへのリンクが混ざっていないかを、サーチコンソールのセキュリティ関連の表示やサイト内検索で確かめます。
5つめは、ユーザー生成スパムです。コメント欄、掲示板、口コミの投稿フォームがあるサイトでは、第三者が書き込んだ宣伝リンクが放置されていないかを見ておきましょう。
制作会社・SEO業者に任せている場合の聞き方
ホームページの運用を外部に任せている場合は、専門用語を使わずに、次の3つを聞いてみてください。「この1年で、ページを大量に増やす施策をしましたか」「他のサイトからのリンクを、お金や交換で増やしましたか」「うちのドメインの一部を、他社に使わせていませんか」の3つです。
私の経験では、答えに詰まる場合は、実際に何かが行われていることよりも、そもそも中身を共有されていないケースのほうが多いものです。何をしたのかを説明できる相手かどうか自体が、任せてよいかの判断材料になります。業者選びの基準は、別の記事でも整理しています。

やってはいけない対応と、待つ勇気

順位が下がると、何かしないと落ち着かなくなります。ただ、スパムアップデートの最中は、動くほど状況が分かりにくくなることのほうが多いのです。
展開の途中で結論を出さない
今回の展開は最大2週間とされており、その間は順位が日によって上下します。海外メディアも、展開が終わるまでは、変動を早合点して結論づけないようにと呼びかけています。
完了の発表が出るまでは「様子を見る」と決めて、記録だけを続けるのが最も損の少ない選択です。完了後に、更新前の数週間と更新後の数週間を比べてから判断しても、遅くはありません。
慌てて記事を消したり、一斉に書き換えたりしない
原因が分からないまま、たくさんのページを削除したり、一斉に書き換えたりするのは避けてください。何が効いて何が効かなかったのかが後から検証できなくなり、本来は評価されていたページまで失うおそれがあるからです。
点検の結果、明らかにスパムポリシーに触れるページが見つかった場合に限り、そのページだけを直す、または整理するという順番にします。
「手動による対策」とは別物だと知っておく
スパムアップデートは自動システムによる変動で、人が個別のサイトに下す「手動による対策」とは仕組みが異なります。手動による対策を受けた場合は、サーチコンソールの「セキュリティと手動による対策」に通知が表示され、再審査リクエストの手続きも用意されています。
順位が下がったのに、このレポートに何も表示されていなければ、少なくとも手動による対策が理由ではないと確認できます。確認の手順は、次の記事で詳しく解説しています。

回復には時間がかかることがある
Googleの公式ドキュメントには、スパムアップデートで下がったサイトの詳しい回復手順や期間は示されていません。海外メディアは、回復には数か月かかる場合があり、その間に仕組みが定期的に見直されると報じています。
この点は公式に確認できた話ではないため、私は「すぐに戻らなくても、直ちに異常とは限らない」くらいの心構えをおすすめしています。焦って何度も手を入れるより、点検と記録を淡々と続けるほうが結果的に近道です。
更新の前後を比べるための、記録の取り方

ここまで読んで、いちばん大切なのは「更新の前と後を比べられる記録があるかどうか」だと感じていただけたのではないでしょうか。記録がなければ、今回のアップデートが原因だったのかを後から確かめる方法がありません。
毎日同じ条件で残しておきたい3つ
残しておきたいのは、次の3つです。1つめは、自社が狙う主力キーワードの順位で、端末(スマホかパソコンか)と検索する場所を固定して、毎回同じ取り方をすることです。
2つめは、サーチコンソールのクリック数と表示回数。3つめは、自社サイトで手を入れた日付のメモです。
この3つを同じ表か同じ画面に並べておくだけで、原因の切り分けは格段に楽になります。
順位の数字にある「クセ」を知っておく
順位チェックツールが示す順位は、決まった時刻に1回だけ調べた実測値です。一方でサーチコンソールの平均掲載順位は、表示された回数ぶんの平均なので、両者が一致しないことは珍しくありません。
どちらが正しいというより、見ているものが違います。スパムアップデートの前後を比べる場合は、どちらか一方に絞って、同じ取り方で続けることが大切です。
AccessScopeの使いどころ
順位の記録を毎日手作業で続けるのは、なかなか大変です。AccessScopeは、サイトのURLを入れるだけで検索順位を自動で記録でき、無料プランでも10キーワードまで、クレジットカードの登録なしで使えます。
サーチコンソールとの連携は任意です。
アップデートのたびに慌てて調べ直すのではなく、普段から数字がたまっていく状態をつくっておくと、いざというときに「いつから、どのキーワードが動いたのか」を落ち着いて確認できます。
見直す日を、先に決めておく
記録を取るだけでなく、「いつ見直すか」を先に決めておくと、不安で毎日画面を開く必要がなくなります。おすすめは、完了の発表が出た翌日、その2週間後、さらに1か月後の3回です。
それぞれの日に、主力キーワードの順位、サーチコンソールのクリック数と表示回数、手を入れた日付のメモを見比べて、変化の傾向をひと言で書き残しておきます。感想を一言でも書いておくと、次のアップデートのときに自分の過去の判断が読み返せる資料になります。
よくある質問
順位が下がったら、スパム違反をしているということですか?
いいえ、そうとは限りません。順位は、アップデートだけでなく、競合の動き、季節、自社サイトの変更など多くの要因で動きます。
まずは日付の照合と、下がったページの範囲の確認から始めてください。
いつまで待てばよいですか?
公式の案内では、展開は最大2週間かかる可能性があるとされています。完了の発表が出るまでは大きな変更を控え、発表後に更新前と更新後の数週間を比べるのが基本です。
AIで書いた記事は、すべて危険ですか?
AIを使うこと自体が禁止されているわけではありません。問題にされるのは、順位を上げる目的で、人の役に立たないページを大量につくることです。
内容を確認し、お客様のための情報になっているかを基準に見直してください。
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まとめ|慌てず、日付と範囲を確かめて、記録を残す
2026年9月スパムアップデートは、9月24日に始まり、全世界・全言語を対象に最大2週間かけて展開される見込みです。公式の案内は短く、何が対象かは明らかにされていないため、外から断定的に語れる情報はまだ多くありません。
順位が動いたときは、①下がり始めた日がアップデートの前後か、②下がったのはサイト全体か一部のページか、③同じ時期に自社が何かを変えていないか、の3つを順に確かめてください。そのうえで、スパムポリシーの視点から、大量生成のページや地域名だけを差し替えたページ、他社に貸しているドメインの一部がないかを点検します。
展開の途中で結論を出さず、完了後に更新前後を同じ取り方で比べることが、最も損の少ない進め方です。まずは今日、主力キーワードの順位と、サイトを最後に変更した日付を書き出すところから始めてみてください。
順位の記録には、AccessScopeの無料プランが役立ちます。サイトのURLを入れるだけで、10キーワードまで順位を自動で記録でき、クレジットカードの登録は不要です。

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