Google Discoverとは、スマートフォンのGoogleアプリやChromeのトップに、検索していないのに記事が並んで出てくるあの画面のことです。「うちのサイトもあそこに出せないか」「出すには何が必要なのか」というご相談を、中小企業の経営者やWeb担当者からいただくことが増えました。
この記事では、Discoverに表示される条件と、中小企業のサイトが今日からできる対策を、Google公式のドキュメントにもとづいて整理します。画像サイズの具体的な数値や、Search Consoleでの確認方法まで手順つきで解説します。
先に結論をお伝えします。Discoverに出すために特別なタグや構造化データを入れる必要はありません。Googleの公式ドキュメントに「特別なタグや構造化データは不要」とはっきり書かれています。
ただし、条件を満たしていれば必ず出る、という話でもありません。どこまでが公式に決まっていて、どこからが運まかせなのかを分けて見ていきます。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
Google Discoverとは?検索とは別の「届く」入口

検索は「探しに行く」、Discoverは「届く」
Google検索は、利用者がキーワードを入力して情報を探しに行く仕組みです。これに対してDiscoverは、利用者が何も入力しないうちに、その人の興味に合いそうな記事のほうから並んで出てきます。
Googleの公式ドキュメントでは、Discoverは「Google検索の一部であり、ウェブとアプリのアクティビティにもとづいて、その人の興味に関連するコンテンツを表示するもの」と説明されています。つまりDiscoverは検索と切り離された別サービスではなく、検索の延長線上にある表示面だということです。
この違いは、対策を考えるうえで大きな意味を持ちます。検索は「その言葉で探している人」に届く仕組みですが、Discoverは「その話題に関心がありそうな人」に届く仕組みだからです。
どこに表示されるのか
スマートフォンのGoogleアプリを開いたときの下側、ChromeのAndroid版で新しいタブを開いたときの「おすすめの記事」、Androidのホーム画面を右にスワイプした画面などが、Discoverの表示場所です。日常的にスマホを触っている方であれば、意識せずに毎日目にしているはずです。
大きめの画像とタイトルがカード状に並ぶのが特徴で、画像の面積が広いぶん、視覚的な印象が結果を左右しやすい入口でもあります。この点は後ほど画像の項目で詳しく扱います。
中小企業のサイトでも出る可能性はあるのか
「Discoverはニュースサイトや大手メディアのものでは」と思われがちですが、公式ドキュメントはそう限定していません。掲載の対象になるのは「Googleにインデックスされていて、Discoverのコンテンツポリシーを満たしているコンテンツ」とだけ書かれています。
さらに「古いコンテンツであっても、その人の興味にとって有益で関連性があれば表示されることがある」とも明記されています。速報性のない記事でも、条件次第で拾われる余地があるということです。
筆者はWeb制作とSEOの支援を10年以上、延べ1,000件以上のサイトで続けてきましたが、地域の店舗や士業のサイトでもDiscover経由の流入が計上されている例はあります。ただし、それは狙って毎回出せるものではない、というのが実感です。
Discoverに表示される条件|Google公式が示している前提

特別なタグも構造化データも要らない
まず押さえたいのは、Discover専用の設定は存在しないという点です。公式ドキュメントには「特別なタグや構造化データは必要ありません」と明記されています。
「Discover対策の専用タグを入れます」という提案を受けたら、その時点で一度確認したほうがよいということです。公式が不要と書いているものを有料で導入する理由はありません。
インデックスされていることが大前提
掲載の条件として最初に挙げられているのが「Googleにインデックスされていること」です。検索結果に出ていないページは、Discoverにも出ようがありません。
意外に見落とされがちですが、公開したのにインデックスされていないページは中小企業のサイトでもよくあります。Discoverを気にする前に、まず自社の記事がGoogleに登録されているかを確かめてください。

コンテンツポリシーに違反していないこと
もうひとつの条件が、Discoverのコンテンツポリシーを満たしていることです。危険なコンテンツ、欺瞞行為、ハラスメント、ヘイト、操作されたメディアといった一般的な禁止事項に加えて、Discover固有のポリシーが定められています。
中小企業のサイトで関係しやすいのは「広告・スポンサーコンテンツ」の項目です。広告や有料の販促コンテンツが本文より多くならないこと、スポンサー記事を独立した記事であるかのように見せないことが求められています。
アフィリエイトや提供記事を扱っている場合は、スポンサーシップを読者に明確に開示する必要があります。これは所有者やアフィリエイトの利益、支払い、物質的な支援まで含む、と公式ヘルプに書かれています。
「資格がある」と「必ず出る」は違う
ここが最も誤解されやすいところです。公式ドキュメントは、条件を満たしたコンテンツについて「Discoverに表示される資格がある」とは書いていますが、続けて「表示される資格があることは、表示されることの保証ではありません」とはっきり断っています。
つまりDiscoverは、順位のように狙って積み上げられるものではありません。検索順位の改善が「土台」で、Discoverはその上に時々乗る「おまけ」と考えるのが現実的です。
表示されやすくするためにGoogleが挙げている5つのこと

公式ドキュメントには、表示される可能性を高めるための推奨事項が並べられています。ここでは5つに整理して、中小企業のサイトに当てはめながら見ていきます。
①クリックベイトを避ける
公式が最初に挙げているのが、クリックベイトを避けることです。誤解を招く表現や誇張した表現をタイトル・抜粋・画像に使って関心を人為的に膨らませること、内容を理解するために必要な情報をわざと伏せることが、名指しで挙げられています。
「衝撃の事実」「知らないと損」といった煽り文句は、短期的にはクリックされても、Discoverの評価としてはマイナスに働きます。中身が伝わるタイトルのほうが安全です。
②内容の本質をつかむタイトルにする
2つ目は「コンテンツの本質をとらえたページタイトルと見出しを使う」ことです。読み手が一目で何の記事かわかる状態を目指します。
これは検索結果でクリックされるタイトルの考え方とほぼ同じです。Discoverのためだけに別のタイトルを用意する必要はありません。

③扇情的な手法を避ける
3つ目は、病的な好奇心や刺激、怒りに訴えて関心を操作する手法を避けることです。公式ドキュメントは、こうした扇情的な手法を明確に推奨していません。
企業サイトのブログでここまで踏み込むことは少ないと思いますが、競合批判や不安を過度にあおる書き方は近い性質を持ちます。事実を淡々と伝える書き方に寄せておくのが無難です。
④「今の関心」「物語」「独自の洞察」のいずれかを持たせる
4つ目が、実は中小企業にとって最も現実的な打ち手です。公式は「今の関心に対してタイムリーな内容、うまく語られた物語、または独自の洞察を提供するコンテンツ」を推奨しています。
大手メディアと速報性で競うのは難しいですが、独自の洞察であれば、現場を持っている中小企業のほうが有利な場面があります。自社が実際に体験した施工の失敗と対処、来店客から実際に多い質問、業界内でしか知られていない事情などがそれにあたります。
どこかで読んだ一般論をまとめ直した記事は、この4つ目の条件をひとつも満たしません。書く前に「この記事の中で、うちにしか書けない部分はどこか」を一行で言えるかを確認してみてください。
⑤魅力的で質の高い画像を入れる
5つ目が画像です。公式は「関連性のある、魅力的で質の高い画像を含めること。特に大きな画像はDiscoverからの訪問につながりやすい」と述べています。
ここには具体的な数値の指定があり、中小企業のサイトで最もつまずきやすい部分でもあります。次の章で分けて解説します。
画像の条件を正しく満たす|1200ピクセル以上とmax-image-preview

公式が示している画像の仕様
Google公式ドキュメントは、Discover向けの画像について3つの数値を示しています。幅が1,200ピクセル以上であること、総ピクセル数が30万を超える高解像度であること、そして縦横比が16対9であることです。
総ピクセル数については公式が例を挙げており、1280×720ピクセルの16対9画像であれば921,600ピクセルとなり、この条件を満たすとされています。迷ったら1280×720ピクセル以上の横長画像を用意すれば、3つの条件を同時に満たせます。
スマートフォンで撮った写真は縦長のことが多く、そのままでは条件を満たしません。アイキャッチとして使う画像だけでも、横長に整えておく価値があります。
自分で切り抜くときの注意点
公式ドキュメントは、Googleが自動で画像を切り抜こうとすることに触れたうえで、自分で切り抜く場合の注意も書いています。横長での使用を前提に、きちんと構図を決めて切り抜くこと、そして縦横比を自動的に当てはめないことです。
たとえば縦長の写真を機械的に16対9へ切り抜くと、伝えたい部分が枠外に出てしまうことがあります。切り抜いた結果に大事な要素が残っているかを、目で確認してから設定してください。
max-image-preview:large の設定が必要
公式ドキュメントは、推奨する画像仕様のひとつとして、robotsメタタグの max-image-preview:large の設定によって有効になっていること(またはAMPを使っていること)を挙げています。必須要件として書かれているわけではありませんが、この指定がないと大きな表示にならない可能性があります。
WordPressをお使いの場合、多くのSEO系プラグインやテーマがこの指定を標準で出力しています。確認は簡単で、記事ページを開いてブラウザのソースを表示し、robots という文字列を検索して max-image-preview:large が含まれているかを見るだけです。
もし standard や none になっていた場合は、プラグインの設定を見直してください。noindex や nosnippet が意図せず付いていないかも、あわせて確認しておくと安心です。
og:image で「代表する画像」を指定する
どの画像がDiscoverのサムネイルに選ばれるかは、schema.orgのマークアップか og:image メタタグの指定が影響する、と公式は説明しています。ページを代表する、関連性のある大きな画像を指定することが推奨されています。
あわせて2つの「避けること」も明記されています。サイトロゴのような一般的な画像を使わないこと、そして文字が多く入った画像を使わないことです。
ブログのアイキャッチに記事タイトルを大きく載せる作り方は日本でよく見かけますが、Discoverの推奨とは逆方向になります。記事の内容を表す写真やイラストのほうが、公式の推奨には沿っています。

透明性と流入の不安定さ|先に知っておくべき2つのこと

日付と執筆者の署名を明示する
Discoverのコンテンツポリシーには「透明性」という項目があります。サイトを訪れる人が、読んでいる内容の執筆者と公開元を信頼し、理解できる状態を求めるものです。
公式ヘルプが具体的に4点を挙げています。明確な日付と執筆者の署名、執筆者・パブリケーション・パブリッシャーに関する情報、コンテンツを提供した企業やネットワークに関する情報、そして連絡先情報です。
ただしこの4点は、原文では「Googleのニュース提供元」に求められる要件として書かれています。すべてのサイトに一律で課される条件ではありませんが、信頼される情報源として扱われるための考え方としては、企業サイトでもそのまま参考になります。
中小企業のブログで最も不足しているのが、この「誰が書いたか」の表示です。会社名だけで、担当者名も更新日も出ていないサイトは珍しくありません。
運営者情報と連絡先を整える
連絡先情報が求められている点も見落とされがちです。問い合わせフォームだけでなく、会社概要のページに所在地や電話番号がそろっているかを確認してください。
これはDiscoverのためだけの作業ではありません。通常の検索でも、AI検索でも、運営者が明確なサイトのほうが扱われやすい傾向は共通しています。

Googleが公式に「予測しにくい」と認めている
もうひとつ、期待値の調整として知っておきたいことがあります。公式ドキュメントは「Discoverからのトラフィックは、キーワード起点の検索訪問と比べると予測しにくく、当てにしにくい」とはっきり書いています。
そのうえで「Discoverからのトラフィックは、キーワード起点の検索トラフィックを補うものとして考えるべき」と続けています。Googleが自ら「補助的なもの」と位置づけている以上、Discoverを主軸に据えた集客計画は現実的ではありません。
流入が変動する3つの理由
公式は、Discoverの流入が変わる理由として3つを挙げています。1つ目は利用者の関心の変化で、ある話題への関心が薄れれば、その人のフィードには別の話題が出るようになります。
2つ目はコンテンツ種別の調整です。Discoverはフィードに表示するコンテンツの種類を継続的に調整している、と説明されています。
3つ目は検索側のアップデートです。DiscoverはGoogle検索の延長であるため、検索のアップデートがDiscoverの流入に影響することがある、と公式に書かれています。
そのうえで公式は「アップデート後に何もしなくてよい場合もある」とも述べています。Discoverの体験改善のための継続的な作業によって、コンテンツの質や公開頻度と関係なくトラフィックが変わることがある、という説明です。
Search ConsoleでDiscoverの成果を確認する

レポートが表示される条件
Discoverに表示された実績があると、Search Consoleの左メニューに「Discover」というレポートが現れます。逆にいうと、このメニューが出ていないサイトは、まだDiscoverに載った実績が基準に届いていないということです。
公式ヘルプによると、レポートに表示されるのは表示回数が一定のしきい値に達したデータに限られます。ただし、しきい値に届かなかった分もサイト全体の合計には加算される、と説明されています。
見られる指標と期間
Discoverレポートでは、表示回数、クリック数、クリック率を確認できます。対象期間は過去16か月です。
このレポートにはChromeからのトラフィックも含まれ、利用者がDiscoverに触れるすべての面での流入が追跡される、と公式ドキュメントに書かれています。Googleアプリだけの数字ではない、という点は押さえておいてください。

手動による対策の確認場所
Discoverのコンテンツポリシーに違反した場合は、Search Consoleの「セキュリティと手動による対策」にDiscoverの手動による対策が表示されます。心当たりがあるときは、まずここを確認してください。
違反が繰り返されたり重大だったりした場合、そのサイトはDiscoverやChromeの「おすすめの記事」に表示される資格を失うことがある、と公式ヘルプに書かれています。広告や提供記事の扱いには注意が必要です。
中小企業の現実的な進め方
ここまでを踏まえると、中小企業がやるべきことは3つに絞れます。インデックスされる状態を保つこと、横長で1,200ピクセル以上の画像を記事ごとに用意すること、執筆者と日付と連絡先を明示することです。
逆に、やらなくてよいこともはっきりしています。Discover専用のタグや構造化データを入れること、記事の公開頻度をむやみに上げること、Discover経由の流入を主要なKPIに据えることの3つです。
そして日々の判断は、Discoverではなく検索順位の推移を土台に行うのが実務的です。順位が動いていないのに流入だけが揺れているなら、それはDiscoverや検索結果の表示面の変化である可能性が高い、という切り分けができるようになります。
よくある質問(FAQ)
Discoverに載せるための申請や登録は必要ですか?
必要ありません。Googleにインデックスされ、Discoverのコンテンツポリシーを満たしていれば自動的に対象になる、と公式ドキュメントに書かれています。
Googleニュースのような掲載申請の仕組みはDiscoverにはありません。まずは通常のSEOとして、インデックスされる状態を整えるのが先です。
古い記事でもDiscoverに出ますか?
出る可能性はあります。公式ドキュメントは「古いコンテンツも、その人の興味にとって有益で関連性があれば表示されることがある」と明記しています。
ただし条件を満たせば必ず出るわけではないため、古い記事の掘り起こしをDiscoverだけを目的に行うのは効率がよくありません。検索流入の改善を主目的にしたリライトの副産物として捉えるのが現実的です。
アイキャッチにタイトル文字を入れると不利になりますか?
Discoverの観点では推奨されません。公式ドキュメントは、schema.orgのマークアップやog:imageに指定する画像について「最良の結果を得るには、文字の多い画像を使わないこと」と書いています。
順位が下がるという意味ではなく、Discoverでの見え方の話です。SNSでのシェアも考えて文字入り画像を使いたい場合は、og:imageには文字の少ない別の画像を指定する方法もあります。
Discover経由の流入が急に減りました。何か問題がありますか?
まずSearch Consoleの「セキュリティと手動による対策」を確認してください。そこに何も表示されていなければ、サイト側の違反による減少ではありません。
そのうえで、公式が挙げる3つの変動理由に当てはまらないかを見ます。関心の変化、コンテンツ種別の調整、検索のアップデートのいずれも、サイト側では制御できない要因です。
「Discover対策」を業者に依頼する価値はありますか?
Discover単体を目的とした施策に費用をかける価値は高くない、というのが筆者の考えです。公式が専用タグは不要と述べており、流入自体も補助的なものと位置づけているためです。
提案を受けた場合は、その内容が通常のSEOやコンテンツ改善と何が違うのかを確認してみてください。中身が画像の整備と運営者情報の明記だけであれば、自社でも十分に対応できます。
関連記事



まとめ|Discoverは狙うものではなく、整えた結果として乗るもの
Google Discoverは、検索とは別の入口に見えて、実際にはGoogle検索の一部です。インデックスされていることとコンテンツポリシーを守っていることが条件で、専用のタグや構造化データは必要ありません。
中小企業が現実的にできるのは3つです。横長で1,200ピクセル以上・16対9の画像を用意すること、max-image-preview:large とog:imageを正しく設定すること、そして執筆者・日付・連絡先を明示することです。
そのうえで、Googleが自ら「予測しにくく、補助的なもの」と説明している点は忘れないでください。Discoverを主軸に据えるのではなく、検索順位という土台を整えた副産物として捉えるのが健全です。
今日できる一歩として、自社サイトの記事を1本開き、ブラウザのソース表示で max-image-preview:large が入っているかを確かめてみてください。ここが standard のままだと、良い画像を用意しても大きく表示されない可能性があります。
そして流入の変化を正しく読み解くには、検索順位そのものを継続して記録しておくことが欠かせません。順位が動いていないのに流入が減ったのか、順位ごと落ちたのかで、打つ手はまったく変わります。
AccessScopeは、サイトのURLを入力するだけで検索順位を自動で記録し続ける無料のツールです。10キーワードまで無料、クレジットカードの登録も不要ですので、まずは自社の現在地を確かめるところから始めてみてください。AccessScopeに無料で登録する

コメント