外構工事や造園の仕事は途切れていないのに、そのほとんどがハウスメーカーや工務店からの下請けで、単価も工期も相手の都合で決まってしまう。そんなご相談を、外構・エクステリア・造園の会社さまからよくいただきます。
施主から直接問い合わせが来る流れを自分の手で作りたい、というのが本音ではないでしょうか。実際、庭やカーポートのように「実物を見て決めたい」工事ほど、施主は事前にインターネットで会社を探し、施工事例を見比べてから連絡先を押します。
この記事では、外構・造園会社が自社サイトと検索から直接依頼を増やすために、どの言葉を狙い、どのページを作り、どこを整えればよいのかを順番に整理します。建設業許可や広告表示など、この業種特有の気をつけたい点にも触れます。
専門用語はできるだけ使わず、今日から手を動かせる形にしました。ホームページを持っているけれど問い合わせが来ない、という段階の方にも役立つはずです。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
外構・造園の集客はいま変わっている|下請け依存と施主の直接検索

仕事はあるのに、単価と時期を自分で決められない
外構・造園の受注経路は、長らく元請けからの紹介が中心でした。住宅の引き渡しに合わせて外構が発注されるため、仕事は安定して入ってくる一方、金額も工期も元請けの計画に従うことになります。
この形は繁忙期と閑散期の波をならしにくく、値引き交渉にも弱いという弱点があります。直接依頼の割合を少しずつ増やしておくことが、価格と工期の主導権を取り戻す一番の近道です。
筆者がご相談を受ける中でも、下請け9割・直接1割という会社さまは珍しくありません。ここを2割、3割と増やしていくだけで、経営の景色はかなり変わります。
施主は「地域名+工事の名前」で探している
では施主はどうやって外構会社を探すのでしょうか。多くの場合、住んでいる市町村名と、やりたい工事の名前を組み合わせて検索します。
「宇都宮市 外構工事」「小山市 カーポート 設置」「下野市 庭 リフォーム」といった形です。会社名を知らない段階なので、検索されるのは会社名ではなく地域名と工事名の組み合わせになります。
つまり、自社サイトにその言葉が書かれていなければ、そもそも候補にすら入りません。逆に言えば、地域名と工事名を正しく扱うだけで、大手が手を出しにくい入口を取れる余地があります。
一括見積もりサイトは入口にはなるが、育つのは他社の資産
一括見積もりサイトやポータルサイトは、すぐに問い合わせが来るという意味では有効な手段です。ただし、そこで積み上がる評価や検索での強さは、あくまで運営会社の資産になります。
掲載をやめた瞬間に流入がゼロに戻る点も、下請け依存と構造がよく似ています。ポータルは短期の入口、自社サイトは長期の資産、と役割を分けて考えるのが現実的です。
工務店やリフォーム会社の集客も同じ構造を抱えています。考え方の土台は次の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。

自社サイトは「24時間動く営業所」になる
施工事例と対応エリアがきちんと載っているサイトは、営業時間外でも施主に判断材料を渡し続けます。特に外構工事は検討期間が長く、夜にスマートフォンで比較されることが多い分野です。
広告のように出稿を止めれば消えるものではなく、記事や事例は積み上がるほど効いてきます。時間はかかりますが、積み上げた分がそのまま自社に残るのが自社サイトの強みです。
外構・造園会社が狙うキーワードの決め方

土台は「地域名+外構工事」「地域名+造園」
最初に押さえるのは、本拠地の市町村名と主要サービスを組み合わせた言葉です。会社概要ページやトップページに地名を1回書いただけでは弱く、対応エリアのページや施工事例の中で自然に繰り返し登場する状態を目指します。
ここで大切なのは、実際に施工できる範囲だけを書くことです。行ったことのない市町村名を並べても、問い合わせが来たときに断ることになり、評価にもつながりません。
隣接する市町村まで対応できるなら、その地域ごとに施工事例を1件でも載せておくと説得力が出ます。地名だけを差し替えたページを量産するのは、Googleのスパムポリシーに触れる恐れがあるため避けてください。
地域名を使ったキーワードの具体的な組み立て方は、次の記事で詳しく扱っています。

工事の種類ごとにページを分ける
外構と一口に言っても、施主が探している工事は驚くほど細かく分かれています。カーポート、ウッドデッキ、フェンス、駐車場のコンクリート打ち、門扉、目隠し、人工芝、防草シートなど、それぞれが独立した検索の入口です。
これらを「施工メニュー」の1ページにまとめてしまうと、どの言葉でも中途半端な扱いになります。受注したい工事から順に、1工事1ページで作っていくのが基本です。
ページには、その工事でよくある悩み、選び方の目安、工期、施工の流れ、そして自社の施工事例へのリンクを入れます。施主が知りたいのは商品名ではなく、自分の敷地でどうなるかです。
「費用」「相場」から逃げない
外構・造園で最も検索されている言葉のひとつが費用と相場です。金額は現場条件で変わるため書きにくいのは事実ですが、何も書かないと施主は他社のページで相場観を作ってしまいます。
現実的な折衷案は、幅を持たせた目安と、金額が上下する理由をセットで示すことです。たとえばカーポートなら本体価格と土間コンクリートの面積で変わる、といった説明を添えます。
こう書くだけで、問い合わせの質が上がり、見積もり後の温度差も減ります。数字を出す以上は根拠と時点を明記し、価格改定があったら忘れずに直してください。
剪定・伐採・庭木の手入れは別の入口として扱う
造園を手がけているなら、剪定や伐採、草刈り、消毒といった維持管理の依頼も見逃せません。これらは工事より単価は小さいものの、地域での指名につながりやすく、リピートも見込めます。
新築時の外構と、既存の庭の手入れでは、探している人がまったく違います。同じサイトの中でも、入口となるページは分けて用意するほうが届きやすくなります。
施工事例ページの作り方|写真を並べるだけでは選ばれない

1件の工事につき1ページにする
多くの外構会社さまのサイトで、施工事例が1ページに何十件もまとめて並んでいます。見た目は整いますが、検索の入口としてはほとんど機能しません。
1件を1ページにすると、その工事ならではの言葉がページ全体に行き渡ります。「小山市・カーポート2台・土間コンクリート」といった具体的な組み合わせで見つけてもらえるようになります。
件数が多い会社ほど、この分け方の効果は大きくなります。過去分をすべて作り直す必要はなく、これから納める工事から1件1ページに切り替えるだけで構いません。
施工事例に必ず入れたい7項目
写真だけの事例は、見る人にとって「きれいだけれど自分ごとにならない」ものになりがちです。次の7つを短くても添えておくと、判断材料として一気に強くなります。
①施工した市町村名と地域、②工事の種類、③敷地や間口のおおよその条件、④施主のご要望と困りごと、⑤提案した内容と選んだ理由、⑥工期、⑦おおよその費用帯。この順で並べるだけで読み物になります。
特に⑤の「なぜその提案にしたか」は、他社が真似できない自社だけの情報です。検索エンジンにもAIにも、価値が伝わるのはこの部分です。
お客様の声や導入事例をSEOに活かす考え方は、次の記事で詳しくまとめています。

写真はファイル名とaltと容量まで整える
外構・造園は写真が主役の業種です。だからこそ、写真の扱い方で差がつきます。
スマートフォンから直接アップロードすると、IMG_1234のようなファイル名と数メガバイトの容量のままになりがちです。ファイル名は工事内容がわかる英字にし、alt属性には日本語で写っているものを書いてください。
容量は表示速度に直結します。長辺1,200〜1,600ピクセル程度に縮小して書き出すだけで、体感速度はかなり変わります。
金額を載せるかどうかの考え方
事例に金額を載せるべきかは、よく相談を受けるところです。結論としては、幅を持たせた総額と、その金額に含まれる工事の範囲を書く形をおすすめしています。
金額がまったく無い事例は比較検討の土俵に乗りにくく、逆に断定した数字だけを置くと、条件の違う施主との認識のずれを生みます。「本体と土間を含めておよそ○○万円台」という書き方が現実的です。
Googleビジネスプロフィールと地図からの集客

事務所に人が来ないなら「サービス提供地域」で登録する
外構・造園は、施主が事務所を訪ねてくるとは限らない業種です。資材置き場や自宅兼事務所というケースも多いはずです。
Googleのビジネス情報の掲載に関するガイドラインでは、来店を受け付けないビジネスは住所を非表示にし、対応できる範囲をサービス提供地域として設定する形が案内されています。実態と違う住所公開はプロフィール停止の原因になりますので、ここは正直に設定してください。
サービス提供地域は、実際に出向ける市町村を選びます。県全体のように広く取りすぎると、近隣の検索で不利になることがあります。
ビジネス名に地域名やサービス名を足さない
「○○造園|宇都宮市の外構工事・カーポート専門」といった名称は、上位に出やすくなりそうに見えます。しかしGoogleのガイドラインでは、名称は実店舗や書類で使っている正式名称にすることが求められています。
看板や契約書で実際に使っている名称の一部であれば、地域名が入っていても問題ありません。違反になるのは、実際には使っていない地域名やサービス名を後から足した場合で、修正や停止の対象になります。
足したいキーワードは、名称ではなくカテゴリ・説明文・サービス欄で伝えてください。そのほうが安全で、結果的に伝わる情報量も増えます。
地図まわりで順位を上げるための具体的な打ち手は、次の記事に整理しています。

写真とクチコミは「工事が終わった直後」に動かす
プロフィールの写真は、施工後のきれいな状態を定期的に追加していくのが効きます。工事が終わって施主が満足している瞬間が、写真もクチコミも最も集まりやすいタイミングです。
クチコミの依頼は、その場で口頭でお願いし、後からショートメッセージでリンクを送る形が現実的です。見返りを渡して評価を集める行為は規約違反になるため避けてください。
許可・資格・広告表示で気をつけたいこと

500万円未満の工事と建設業許可
建設業法では、原則として建設業を営むには許可が必要ですが、「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は許可がなくても営業できます。外構や造園が該当する建築一式工事以外では、請負代金が税込500万円未満の工事がこれにあたります。
注意したいのは税込で判断する点です。税抜490万円でも消費税を加えると500万円を超えるため、許可が必要になります。1件の工事を分割して契約しても、実質が1つの工事なら合算で判断されます。
注文者が材料を提供する場合は、その材料費や運送費も請負代金に含めて計算します。自社の請求額だけで判断すると見誤ることがあるので気をつけてください。
2025年2月に建設業法施行令の改正がありましたが、変更されたのは特定建設業の許可が必要になる下請代金の基準(4,500万円から5,000万円、建築一式工事は7,000万円から8,000万円)で、この500万円という軽微な工事の基準は変わっていません。最新の状況は国土交通省や都道府県の建設業担当窓口でご確認ください。
許可を持っているなら標識と番号を正しく扱う
建設業許可を受けた業者には、建設業法第40条により標識を掲げる義務があります。掲示場所は営業所と、発注者から直接請け負った工事の現場です。2020年10月の改正以降、下請業者の現場掲示義務は外れています。
これは現場と営業所に対する決まりで、ホームページへの掲載を義務づけるものではありません。ただし許可番号を会社概要に載せておくことは、施主が業者を見極めるうえで大きな安心材料になります。
許可を持っていないのに「建設業許可取得済み」と書くのは論外ですが、うっかり有効期限が切れたまま掲載しているケースも見かけます。更新のたびにサイトの記載も見直してください。
「最安値」「地域No.1」は根拠がないと書けない
景品表示法では、実際よりも著しく有利だと消費者に誤認させる表示が禁じられています。価格について「最安値」と書いていて実際にはそうではなかった場合、有利誤認表示にあたるおそれがあります。
根拠がないから直ちに違法になる、という単純な話ではありません。ただ、確かめずに「最安値」と書くこと自体が、あとから覆せないリスクの高い表示だとお考えください。
No.1という表示についても、消費者庁が2024年9月に実態調査報告書を公表しています。そこでは、比較する商品やサービスの選び方、調査対象者の選び方、調査が公平な方法で行われていること、そして表示内容と調査結果がきちんと対応していることの4点が挙げられました。
あわせて、調査方法の概要を表示物に載せたりQRコードを添えたりして、一般消費者が確認できるようにすることが望ましいとされています。「地域No.1」と書きたくなったら、まずこの条件を満たせるかを考えてみてください。
「必ず○年もちます」「絶対に雑草が生えません」といった断定も同じ理由で危険です。言い切りたくなったときほど、条件と根拠を添えると考えてください。
迷う表現は専門家に確認する
ここで挙げたのは代表的な注意点にすぎません。表示の適否は文脈や業態によって判断が分かれるため、キャンペーンや価格表示で迷ったときは、行政書士や弁護士など専門家にご相談ください。
筆者はSEOの立場から関わりますが、法令の最終判断は必ず専門家と行政の窓口に委ねています。安全な範囲で書いた文章のほうが、結果として長く残ります。
効果の測り方|順位・表示回数・問い合わせをつなぐ

サーチコンソールで「どの言葉で見られたか」を見る
Google Search Consoleを入れておくと、自社サイトがどんな検索語句で表示され、どれだけクリックされたかがわかります。外構・造園の場合、想定していなかった工事名や近隣の市町村名で見られていることがよくあります。
そこで見つかった言葉は、次に作るページのテーマそのものです。新しいネタは外から探すより、すでに来ている検索語句の中にあることが多いと感じます。
検索順位は記録しないと変化がわからない
サーチコンソールは表示回数やクリック数を教えてくれますが、狙った言葉で今何位なのかを日々追いかけるには向いていません。順位は毎日少しずつ動くため、記録が無いと改善の効果を判断できないのです。
「問い合わせが減った」と感じたとき、順位が落ちたのか、順位は同じで検索する人が減ったのかで、打つ手はまったく変わります。順位を自動で記録しておくと、この切り分けが数分で終わります。
順位を測るツールの選び方は、次の記事で比較しています。

季節の波を織り込んで判断する
外構・造園は季節性が強い業種です。新築の引き渡しが増える時期、庭木の剪定を思い立つ時期、雑草が伸びる時期で、検索される言葉も量も変わります。
先月と比べて減った、という見方だけでは判断を誤ります。1年分のデータがたまるまでは、前年同月ではなく検索順位の変化を軸に見るほうが安全です。
AI検索に出るために特別なファイルは要りません
AIによる概要やAIモードに出るために、専用のファイルや特別なマークアップが必要だと言われることがあります。Googleは生成AI検索向けの公式ガイドの中で、そうした特別な対応は不要で、通常の検索に向けた最適化がそのまま生きると説明しています。
外構・造園でいえば、自社で撮った施工写真、実際の工期、提案の理由といった一次情報がそのまま強みになります。どこにでもある一般論より、自社の現場でしか書けない具体を積むほうが確実です。
よくある質問(FAQ)
ホームページを作れば、すぐに問い合わせは来ますか?
残念ながら、公開してすぐに検索から人が来ることはほとんどありません。ページがGoogleに登録され、順位が付き始めるまでに数週間から数か月かかるのが一般的です。
ただし外構・造園は競合サイトの作り込みが甘い地域も多く、施工事例をていねいに積めば中小規模の会社でも十分に戦えます。半年から1年の視野で、月に数本ずつ増やす形をおすすめします。
施工エリアが広いのですが、地域ごとにページを作ってもいいですか?
実際に施工している地域であれば問題ありません。ただし、地名だけを差し替えて中身が同じページを大量に作るのは避けてください。Googleのスパムポリシーで示されている、独自の価値のない量産ページに近づいてしまいます。
その地域の施工事例、よくある土地の条件、対応にかかる時間など、地域ごとに違う中身を書けるかどうかが判断基準です。書けない地域は、対応エリア一覧に名前を載せるだけで十分です。
写真は自分のスマートフォンで撮ったもので大丈夫ですか?
十分です。むしろ現場の空気が伝わる分、素材写真より信頼されます。晴れた日の午前中に、同じ立ち位置から施工前と施工後を撮っておくと比較しやすくなります。
気をつけたいのは、近隣の家や表札、車のナンバーが写り込むことです。施主の許可を取ったうえで、写り込みは撮影時の立ち位置か公開前の加工で処理してください。
下請けの仕事が中心でも、ホームページは必要ですか?
必要だと考えています。元請けの担当者も、初めて付き合う協力会社は必ず社名で検索します。そのときに施工事例と許可番号がきちんと出てくる会社は、それだけで判断されやすくなります。
つまり自社サイトは、新規の施主を集めるためだけのものではありません。既存の取引を守り、条件を交渉する材料にもなります。
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まとめ|外構・造園は「1件1ページの事例」から積み上がる
外構・造園会社が下請け依存から抜け出すために必要なのは、派手な仕掛けではありません。施主が実際に使う「地域名+工事名」を土台に、工事の種類ごとにページを分け、施工事例を1件1ページで積んでいくことです。
そのうえで、Googleビジネスプロフィールを実態どおりに整え、写真とクチコミを工事直後に動かします。許可や広告表示のように、この業種特有の気をつけたい点も押さえておけば、長く安心して育てられます。
効果はすぐには出ませんが、積み上げたページと事例はそのまま自社の資産として残ります。ポータルサイトへの掲載と違い、止めた瞬間に消えることはありません。
今日できる一歩として、直近に納めた工事を1件選び、施工前後の写真と、なぜその提案にしたのかを300字程度添えて、1ページとして公開してみてください。ここが最初の1件になります。
そのうえで、狙った言葉で自社が今どこにいるのかを記録しておくと、次に何を直すべきかが見えてきます。順位が動いていないのに問い合わせが減ったのか、順位ごと落ちたのかで、対処はまったく変わるからです。
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