自社のブログ記事やホームページの文章が、他のサイトにそのまま載っていた。そんな中小企業の経営者や店舗オーナーに向けて、この記事では「記事をコピーされたときの対処」を、確認・証拠・連絡・Googleへの申請の順に整理します。
先に結論を言うと、慌てて削除を求める前に「本当にコピーなのか」を確かめ、証拠を残すことが最初の一歩です。そのうえで、相手への連絡、サイトを預かる事業者への申し出、Google検索結果からの削除申請へと、軽いものから順に進めます。
私は全日本SEO協会認定SEOコンサルタントとして、Web制作10年以上・延べ1,000件以上のサイトに関わってきました。「知らないサイトに、自分の文章が載っている」という相談では、感情的に動く前の整理が結果を左右すると感じてきたため、その手順をまとめます。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
結論|まず「本当にコピーか」を確かめ、証拠を残してから動く

先に押さえたい4つの要点
1つ目は、コピーに気づいたら、連絡や削除依頼より先に、画面と日付の記録を残すという点です。相手がページを消したり書き換えたりすると、あとから「あった」ことを示すのが難しくなります。
2つ目は、「似ている」と「コピー」は別のものだという点です。同じテーマで書けば内容が近くなることはありますし、事実やアイデアそのものは、著作権で守られる対象に含まれないと整理されています。
3つ目は、対処には順番があるという点です。相手への直接の連絡、サーバー会社やサービス運営元への申し出、Googleの検索結果からの削除申請の順に、動きの軽いものから進めます。
4つ目は、損害賠償や発信者情報の開示のように、法的な請求まで考える段階では専門家の力が要るという点です。その段階に進むときは、弁護士など専門家にご相談ください。
対処の流れを、先に1枚の表で見ておく
この記事で説明する対処の流れを、表にまとめました。
| 手順 | やること | 進めるタイミング |
|---|---|---|
| 1. 確認 | 本当にコピーか、どこまで一致しているかを調べる | 気づいたらすぐ |
| 2. 証拠 | 画面・日付・自分の元データを保存する | 連絡をする前に |
| 3. 連絡 | サイト運営者に、事実と希望する対応を伝える | 連絡先が分かるとき |
| 4. 申し出 | サーバー会社やサービス運営元に、記録を添えて申し出る | 連絡が取れない・応じないとき |
| 5. Google | 検索結果から外してもらう申請をする | 侵害が明らかなとき |
| 6. 専門家 | 弁護士に相談する | 請求まで考えるとき |
すべてを実行する必要はなく、相手が応じてくれた時点で終えて構いません。いちばん大事なのは、動き出す前に記録を残すことです。
なお、この記事は一般的な考え方の整理であり、個別の案件で侵害になるかどうかを判断するものではありません。
コピーされたかを見つける方法|気づくきっかけと調べ方

気づくきっかけは、偶然であることが多い
読者や取引先から「あのサイトの文章、御社のものと同じですね」と教えられて気づく例があります。Search Consoleの「リンク」レポートに、見覚えのないサイトが並んでいて気づくこともあります。
ただ、偶然に頼っていると、気づくのが何か月も先になりかねません。自分から定期的に探す方法を、3つ紹介します。
方法1|特徴的な一文を、引用符で囲んで検索する
いちばん手軽なのは、記事の中の特徴的な一文をGoogleで検索する方法です。検索窓に入れるときに、全体を半角のダブルクォーテーションで囲むと、その並びのままの文章を探せます。
選ぶ一文は、30〜40字ほどで、自分の経験や独自の言い回しが入ったものが向いています。一般的な説明文だと、他のサイトと偶然一致してしまうためです。
検索結果に自社以外のサイトが出てきたら、中身を開いて確認します。なお、検索結果にはすべてのページが出るわけではないので、「出なかった=コピーされていない」とは言い切れません。
方法2|コピー検出のサービスを使う
記事のURLを入れると、同じ文章を含むページを探してくれるコピー検出のサービスがあります。Copyscapeのような有料のものから、無料で使える範囲があるものまで、いくつか種類があります。
こうしたサービスの結果は目安です。一致率の数字だけで決めつけず、必ず相手のページを自分の目で開いて、どこが一致しているのかを確かめてください。
方法3|リンクの動きとアクセスの違和感を見る
コピーした側が、元記事へのリンクや出典を残している場合があります。Search Consoleの「リンク」レポートで、外部リンクの増え方に不自然な動きがないかを、月に1度は眺めておくと気づきやすくなります。
また、自社の画像が、他のサイトから直接読み込まれていることもあります。この場合は、サーバー会社の管理画面でアクセスの記録を見ると、見つかる場合があります。
見つけたあとに、最初に確認する4つのこと
1つ目は、一致の範囲です。記事の全文なのか、一部の段落なのか、画像だけなのかで、その後の対応が変わります。
2つ目は、出典の表示とリンクの有無です。出典とリンクがあり、引用の形になっているなら、コピーではなく引用の可能性があります。
3つ目は、相手の公開日です。自分の記事より後に公開されているかを、ページの表示や、次の章で説明する保存サービスの記録などで確かめます。
4つ目は、相手がどんなサイトかです。会社のサイトか、個人のブログか、文章を自動で集めて載せているだけのサイトかで、連絡の仕方が変わってきます。
「コピー」と「引用・似た内容」の見分け方|著作権の基本の考え方

著作権で守られるのは「表現」である
日本の著作権法が守るのは、文章や写真などの「表現」です。事実やアイデアそのものは、守られる対象に含まれないと整理されています。
たとえば「Googleが◯月にアップデートを行った」という事実を、別の人が自分の言葉で書くのは、通常は問題になりません。一方で、段落の並びや文章をそのまま写したり、語尾や接続詞だけを変えて内容と構成が同じだったりする場合は、侵害が疑われやすくなります。
引用として認められる条件
他人の文章を使うこと自体は、引用のルールを守れば認められます。著作権法第32条は、引用が公正な慣行に合致し、報道・批評・研究などの目的上、正当な範囲で行われることを条件にしています。
実務では、自分の文章が「主」で引用部分が「従」であること、引用した部分が見て分かること、出典を明示していることが、確認のポイントになります。出典もなく全文が載っている場合は、引用とは言いにくいでしょう。ただし、最終的な判断は個別の事情で変わります。
判断に迷ったときの目安表
見つけたページの状態ごとに、見立てと次の動きを整理しました。あくまで目安として使ってください。
| 見つけた状態 | 見立て | 次の動き |
|---|---|---|
| 全文や大部分が同じで、出典もない | 無断転載の可能性が高い | 証拠を残して、運営者に連絡する |
| 一部だけで、出典とリンクがあり、引用の形になっている | 引用の可能性がある | 様子を見るか、丁寧に問い合わせる |
| 語尾や順序だけ変えた言い換えで、内容と構成が同じ | 侵害が疑われる | 証拠を残して、運営者に連絡する |
| 事実や一般的な説明が同じだけ | 通常は問題にならない | 対応しない |
Googleのスパムポリシーは、他のサイトのコンテンツを集めて、検索ランキングを操作する目的でホストする行為を「スクレイピング」と呼んでいます。出典を示さずに他サイトの文章をそのまま載せる行為や、言い換えて少し修正して載せる行為も、その例として挙げられています。
ただし、これはGoogleの検索品質に関する決まりです。著作権侵害になるかどうかは、法律に基づく別の判断になる点に気をつけてください。
証拠の残し方|削除を求める前に必ず控えておくもの

相手のページを記録しておく
まず、相手のページ全体のスクリーンショットを、URLと日時が分かる形で保存します。ブラウザの印刷機能で「PDFとして保存」しておくと、文字も含めて残せます。
インターネットアーカイブの「Save Page Now」のように、ページを保存してくれる公開サービスもあります。ただし、相手の設定によっては保存できないこともあるため、スクリーンショットと併用してください。
あわせて、自分の記事と相手の記事を並べ、一致している部分に色をつけた比較資料を作っておきます。この資料は、あとで運営者や事業者に申し出るときにも、そのまま使えます。
自分の記事のほうが先だった証拠を集める
次に、自分のほうが先に公開していたことを示す材料を集めます。WordPressの公開日時、更新の履歴、下書きのデータ、画像の元ファイルと作成日、SNSで記事を知らせた投稿の日時などが材料になります。
Search Consoleの「URL検査」では、自社ページの最後にクロールされた日時を確認できます。使い方は、次の記事で手順を説明しています。

先に公開していたことの証明は、あとからだと意外に難しいものです。記事を公開したら、公開日時が分かる形で控えを残す習慣をつけておくと、いざというときに助かります。
やってはいけないこと
相手のサイトを名指しで批判する、SNSでさらす、といった行動は避けてください。事実と異なる内容や、行きすぎた表現があると、こちらが名誉や信用を傷つけたと指摘されるおそれがあります。
また、相手の連絡先に何度も繰り返し連絡するのも逆効果です。事実だけを、冷静に、記録を残しながら伝えるほうが、結果として早く解決することが多いはずです。
対処の順番|連絡→サイト運営元→Googleの順で進める

ステップ1|運営者に直接連絡する
サイトに連絡先がある場合は、まず丁寧に連絡します。伝えるのは、自社の記事のURL、相手のURL、公開日、一致している箇所、求める対応と期限の5つです。
文面は短く、事実だけにします。たとえば、次のような書き方です。
◯月◯日に公開した弊社記事(URL)の本文が、貴サイトの(URL)に、出典の表示なく掲載されているようです。つきましては、◯月◯日までに掲載の中止をご検討いただけますでしょうか。ご不明な点があれば、このメールにご返信ください。
削除ではなく、出典の明示とリンクの設置、引用の形への修正を求める選択肢もあります。相手に悪意がなく、知らずに使っていた場合は、この形で早く解決することがあります。
ステップ2|サーバー会社やサービス運営元へ申し出る
連絡先が見つからない、返事がない、応じてもらえない。そんなときは、そのサイトを預かっているサーバー会社や、ブログサービス、ECモールなどのサービス運営元に申し出ます。多くの事業者は、利用規約で権利侵害を禁じていて、通報の窓口を設けています。
ドメインの登録者情報は、近年は非公開になっていることが多いため、登録者に直接たどり着けないこともあります。相手のサイトがどのサービスを使っているかは、ページ下部の表記やサイトの作りから分かる場合があります。
申し出には、先ほど作った比較資料とスクリーンショットを添えると、事業者も判断しやすくなります。
ステップ3|Googleの検索結果からの削除を申請する
相手が応じず、侵害が明らかな場合は、Googleに検索結果からの削除を申請する方法があります。仕組みと注意点は、次の章でくわしく説明します。
ステップ4|請求まで考えるなら、弁護士に相談する
損害賠償や掲載の差し止め、発信者情報の開示を求めたい場合は、弁護士など専門家にご相談ください。費用も時間もかかるため、使われた範囲と、売上や問い合わせへの影響を整理してから相談すると、話が早く進みます。
Googleへの削除リクエスト|何が消えて、何が消えないか

申請できる人と、申請の内容
Googleのヘルプによると、著作権侵害を理由とする検索結果の削除は、著作権者、または著作権者の代理を務める団体が、Googleのウェブフォームから申請します。フォームはDMCAの推奨形式に沿っていて、侵害を示す明確で具体的な通知が求められます。
申請するときは、正当な権限があることと、誠意をもって申し立てていることを表明します。内容が虚偽の場合は、責任を問われる可能性があると説明されています。
消えるのは「検索結果のリンク」であって、相手のページではない
Googleが削除するのは、侵害コンテンツへリンクする検索結果であって、相手のサイトのページそのものではありません。検索結果に出なくなっても、URLを知っている人は、そのページを見られます。
そのため、Googleへの申請は、ステップ1や2の連絡と並行して進めるのが現実的です。また、侵害が明らかでない場合、情報が足りない場合、フェアユースにあたる場合などは、削除に応じないことがあるとも説明されています。
申請の内容は、公開されることがある
受け取った法的な通知の写しは、ハーバード大学のバークマン・クライン・センターが運営するLumenというプロジェクトに送られ、公開されることがあります。個人の電話番号やメールアドレス、住所などの連絡先は、Lumen側で削除されます。
サイトの所有者がSearch Consoleに登録している場合は、Search Consoleに通知が届くことがあります。自社サイトをSearch Consoleに登録しておく大切さは、削除申請を受ける側でも変わりません。
誤って自分のサイトのリンクが削除されたと考える場合は、異議を申し立てるフォームがあります。Googleが内容を確認して、問題がなければリンクを元に戻すことがあります。
他人の文章を使う側になるときの注意
Googleのスパムポリシーには、特定のサイトに関わる有効な著作権侵害による削除通知が大量に届いた場合、同じサイトの残りのコンテンツの検索順位を下げることがある、という記述があります。
つまり、コピーされる側だけでなく、自社が他人の文章や画像を無断で使う側にならないことも大切です。取引先の資料や他社の解説文を載せるときは、引用のルールを守ってください。
コピーされにくくする予防策と、順位への影響の見方

完全に防ぐことはできないが、被害を小さくする備え
1つ目の備えは、XMLサイトマップを送信し、更新したらすぐにクロールされる状態を整えておくことです。これで必ずコピー側より先に評価されるとは言えませんが、自分のページが先に存在していた記録の手がかりにもなります。
2つ目は、各ページに「自己参照のcanonical」を入れておくことです。Googleは、正規のページ自体にも、自分を指すcanonicalを入れることをすすめています。

相手がHTMLごと取り込んだ場合、このタグも一緒に残ることがあり、元の記事がどれかを伝える手がかりの1つになり得ます。ただし、Googleは複数の手がかりから判断するため、必ず効くとは限りません。
3つ目は、記事の中に、会社名や運営者の情報、自社で撮った写真、自社の数字や事例を入れておくことです。コピーされても出所が分かりやすくなり、そもそも「自社でしか書けない内容」は、そのまま写しても価値が出にくくなります。
なお、右クリックを禁止するような仕組みは、コピーを完全には防げず、読者に不便をかけるため、私はおすすめしていません。
AIによる要約と、サイトへの転載は別の問題
AIが記事を要約したり引用したりすることと、他のサイトが記事を丸ごと載せることは、別の問題です。前者は、AI検索の中で自社が紹介される入り口にもなり得ます。
AIのクローラーに、記事を読ませるかどうかの考え方は、次の記事で整理しています。方針を決めるときの参考にしてください。

順位への影響は、数字で確かめる
コピーが見つかっても、自社の順位が下がったとは限りません。気持ちの上では不安になりますが、まずは検索順位の記録で、実際に動いているかを確かめます。
AccessScopeのように、検索順位を自動で記録するツールがあれば、コピーに気づいた時期の前後の順位を見比べられます。順位が動いていなければ、慌てて大きな対応をする必要はないかもしれません。
順位が動いていた場合も、原因がコピーだと決まったわけではありません。アップデートや競合の動き、季節の変化なども同時に疑う必要があります。順位の記録は、コピーに限らず、原因を切り分けるときの土台になります。
よくある質問

自分の記事を一部だけ使われたのですが、削除を求められますか?
引用の条件を満たしているかどうかで変わります。自分の文章が主で、引用部分が分かり、出典が明示されているなら、引用として認められる可能性があります。条件を満たしていない場合は連絡できますが、判断に迷うときは、弁護士など専門家にご相談ください。
相手が海外のサイトで、連絡が取れません。どうすればよいですか?
サーバー会社やGoogleへの申し出は、相手と直接連絡が取れなくても進められます。ただ、国をまたぐ請求は手続きが複雑になるため、その段階では専門家にご相談ください。
逆に、自社が「コピーした」と指摘されたらどうすればよいですか?
まず慌てずに、指摘された内容と、自社のページを見比べます。出典がなく、他人の文章に近い部分があれば、書き直すか、引用の形に直してください。Googleの削除が誤りだと考える場合は、異議を申し立てるフォームがあります。
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まとめ|コピーに気づいたら、確認と証拠が先。連絡は軽いものから順に
記事をコピーされたときは、まず本当にコピーなのかを確かめ、画面と日付、自分の元データなどの証拠を残します。事実やアイデアは著作権で守られる対象ではなく、引用のルールを守った利用もあるため、「似ている」だけでは動かないことが大切です。
そのうえで、運営者への連絡、サーバー会社やサービス運営元への申し出、Googleの検索結果からの削除申請の順に進めます。Googleが削除するのは検索結果のリンクであり、相手のページそのものではないため、他の手段と並行させてください。請求まで考える段階では、弁護士など専門家にご相談ください。
最初の一歩は、自社の記事が検索でどう動いているかを、数字で残しておくことです。AccessScopeの無料プランなら、サイトのURLを入れるだけで10キーワードまで順位を自動で記録でき、クレジットカードの登録は不要です。

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