「Googleのクチコミって、どうやって増やせばいいんでしょうか」というご相談を、店舗や地域密着のビジネスを営む方からよくいただきます。近くのお店を探すとき、多くの人がマップの星の数を見て行き先を決めているからです。
ところが、いざ増やそうとすると迷いが出ます。お礼として割引券を渡してよいのか、低い評価が付いたらどう返せばよいのか、事実と違うクチコミは消せるのか。この判断を間違えると、集客どころかプロフィール自体が制限されることもあります。
この記事では、Googleが公式に示しているルールを土台に、クチコミを安全に増やす手順と、好意的なクチコミ・低評価それぞれの返信の書き方、悪質なクチコミへの対処までを順番に整理します。そのまま使える文例も載せていますので、今日から動ける形でお持ち帰りください。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
Googleのクチコミが集客と順位に効く理由

クチコミ集めを「感じのよいお願い」で終わらせず、集客の仕組みとして回すには、まず何に効いているのかを知っておく必要があります。効き先は大きく2つ、検索での見つかりやすさと、見つけたあとの選ばれやすさです。
ここを分けて理解しておくと、社内で説明するときにも話がぶれません。順番に見ていきます。
ローカル検索の順位は「関連性・距離・知名度」で決まる
Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、ローカル検索結果が主に「関連性」「距離」「知名度」の3つに基づいて表示されると説明されています(日本語ヘルプの本文では、知名度が「人気度」と書かれている箇所もあります)。この3つを組み合わせて、最適と判断された結果が並ぶ仕組みです。
関連性は、検索された言葉とプロフィールの内容がどれだけ合っているか。距離は、検索した人から店舗までの近さです。この2つは、業種の設定を正しくすることや、住所・営業時間を埋めることで整えられます。
問題は3つ目の知名度です。ここが、クチコミが直接からんでくる部分になります。
知名度はクチコミの数と評価に支えられている
知名度とは、そのビジネスがどれだけ広く知られているかを示すものです。Googleは、この要素が「ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やレビューの数などの情報に基づいて決定される」と説明しています。
さらに踏み込んで、クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなるとも明記されています。順位に関する説明でGoogleがここまではっきり書いている要素は、そう多くありません。
つまりクチコミは、気分の問題ではなく、地図と検索で見つけてもらうための土台のひとつだということです。ただし後述するとおり、増やし方を間違えると逆効果になります。
星評価は「最後のひと押し」として見られている
順位が上がって表示されるようになっても、そこで選ばれなければ来店にはつながりません。地図の一覧に3件並んだとき、多くの人は星の数とクチコミ件数を見比べます。
件数が2件しかない星5.0より、80件あって星4.3のほうが安心されることは珍しくありません。数が少ないと、そもそも判断材料として信用されにくいからです。
Googleのヘルプにも、肯定的なフィードバックと否定的なフィードバックの両方が投稿されている場合に、顧客はそれらのクチコミを信用できると感じる、という趣旨の記述があります。星5だけがずらりと並ぶ状態を目指す必要はありません。
AIチャットでもクチコミが参照され始めている
近年は、AIチャットに「この辺で評判のいい◯◯屋さんは?」と聞く人が出てきました。AI側は、ウェブ上の情報とあわせて、店舗の評価やクチコミの内容を手がかりに答えを組み立てています。
調査会社BrightLocalが2026年2月に公表した消費者調査では、地域のお店を探すときにChatGPTなどの生成AIツールを使う消費者が前年の6%から45%へ増えたと報告されています。同じ調査では、AIによる推薦を従来のクチコミと同程度に信頼すると答えた人が42%でした。
海外を中心とした調査であり、調査手法や対象国によって数値は変わります。日本にそのまま当てはまるわけではありませんので、方向性として押さえておく程度でよいでしょう。
いずれにせよ、クチコミに書かれている具体的な言葉が、人にもAIにも読まれる時代に入りつつあります。「駐車場が広くて助かった」「予約が取りやすかった」といった具体的な記述は、そのまま自店の強みの説明になります。
ローカル検索で上位に出るための土台づくりは、次の記事で全体像を整理しています。あわせてご覧ください。

依頼の前に知っておく「違反になる集め方」

手順の話に入る前に、やってはいけない集め方を先に押さえます。ここを知らないまま走り出すと、集めたクチコミがまとめて消える、あるいはプロフィールに制限がかかる、という結果になりかねません。
筆者が相談を受ける中でも、悪意なくラインを越えてしまっている例がいちばん多い部分です。順に確認していきましょう。
見返りと引き換えのクチコミは明確な違反
Googleは「クチコミを増やすためのヒント」の冒頭で、ユーザーによる投稿は実体験に基づいている必要があると述べています。そのうえで、クチコミの投稿と引き換えに無料または割引価格で商品やサービスを提供することは、虚偽のエンゲージメントと見なされ、固く禁じられていると明記しています。
対象になるのは投稿だけではありません。クチコミの内容を変更してもらう、否定的なクチコミを削除してもらう、その見返りとして特典を渡す行為も同じ扱いです。
具体的には、「クチコミを書いてくれた方にドリンク1杯サービス」「投稿を見せたら5%引き」といった掲示が該当します。よく見かける施策ですが、違反であることを知らずにやっているケースが大半です。
違反が続くと、ポリシー違反によるビジネスプロフィールの制限という措置が取られる可能性があります。数か月かけて積み上げたクチコミが評価されなくなるリスクを考えれば、割に合いません。
良い評価をくれそうな人にだけ声をかける「選別依頼」
もうひとつ、意外と見落とされているのが依頼相手の選び方です。満足してくれたお客様にだけ声をかけ、不満そうな人には黙っている、という運用は避けたほうがよいと考えています。
Googleは、正直で客観的なクチコミが見込み顧客にとって有益な情報になると説明しています。良い評価だけを意図的に集める運用は、その考え方と正面からぶつかります。
実務としては、「全員に同じ声のかけ方をする」と決めてしまうのがいちばん簡単です。誰に頼むかを毎回考えなくてよくなるので、現場の負担も減ります。
社員・家族・知人に書いてもらうリスク
開業直後で件数がゼロだと、身内に頼みたくなる気持ちはよく分かります。ただし、実際に利用していない人が書いた投稿は実体験に基づくものではありません。
加えて、短期間に同じ地域から似た文面が集中すると、Googleの自動検出に引っかかりやすくなります。せっかく書いてもらっても表示されない、という形で無駄になることがあります。
日本では2023年10月から、いわゆるステマ規制(景品表示法の指定告示)も施行されています。事業者が投稿の内容に関与しているのに、それが分からない形で表示することは規制の対象になり得ます。
広告や法令の判断が必要になる場面では、消費者庁の公表資料を確認するか、弁護士など専門家にご相談ください。ここでは「実際に使った人が、自分の言葉で書く」という原則だけ押さえておけば十分です。
2026年7月、自社サイトの星表示にも同じ基準が及んだ
2026年7月24日、Googleは検索セントラルのレビュースニペット(Review・AggregateRating)構造化データのドキュメントを更新しました。ページ上や構造化データの中に、偽のレビューや、開示のないインセンティブ付きレビューを含めないという記述が追加されています。
ここでいうインセンティブ付きレビューとは、金銭・割引・クーポン・無料の商品などの見返りを受けて書かれたレビューを指します。開示があれば使えなくなるわけではありませんが、規約の細かい文字の中に紛れ込ませるような書き方では足りない、という趣旨で報じられています。
つまり、ビジネスプロフィール側で示されていた考え方が、自社サイトに星を表示する仕組みのガイドラインにも揃えられたということです。ここで想定される結果は検索結果への星表示(リッチリザルト)が出なくなることであり、サイト全体が罰せられるという話ではありません。
それでも、「お客様の声」ページに評価の平均値を出している会社は、集め方をあらためて確認しておいたほうがよいでしょう。
自社サイト側の構造化データの基本は、こちらの記事で解説しています。

クチコミを増やす5つのステップ

ルールを押さえたら、あとは仕組みにするだけです。クチコミが増えない店の多くは、頼む気がないのではなく、頼む導線がないだけというのが実感です。
ここでは、その日のうちに用意できる5つのステップに分けて説明します。特別な道具は必要ありません。
ステップ1|クチコミ用のリンクとQRコードを作る
Googleは、クチコミ投稿画面へ直接つながるリンクとQRコードを、ビジネスプロフィールから作れるようにしています。お客様に「Googleで店名を検索して、下にスクロールして……」と説明する必要がなくなります。
手順は、ビジネスプロフィールを開き、「クチコミを読む」から「クチコミを増やす」の共有アイコンを選ぶだけです。コピーアイコンでリンクを取得でき、QRコードは右クリックから画像として保存できます。
ひとつ注意点があります。ヘルプには、現在、クチコミのQRコードはパソコンのブラウザでのみ生成できると書かれています。スマホだけで作業しようとすると見つからないので、最初の1回はパソコンで用意してください。
作ったリンクとQRコードは、社内の共有フォルダに1か所だけ置いておきます。あちこちにコピーが散らばると、後から差し替えができなくなります。
ステップ2|置き場所を4か所決める
Googleのヘルプでは、リンクやQRコードの使い方として、領収書に含める、感謝メールに含める、チャットでのやりとりの最後に追加する、QRコードを印刷して店舗に掲示する、の4つが挙げられています。
この4つは、そのまま自社の置き場所リストとして使えます。店舗なら会計まわりとレシート、サービス業なら納品メールと請求書、といった具合に自社の流れに置き換えてください。
掲示物には、見返りを連想させる文言を入れないこと。「ご意見をお聞かせください」までにとどめ、特典の話は書きません。
置き場所を決めたら、月に何件クチコミが増えたかを1か所で数えられるようにしておくと、後の振り返りが楽になります。
ステップ3|声をかけるタイミングを決める
クチコミが集まるかどうかは、文面よりもタイミングで決まります。満足度が最も高いのは、体験した直後だからです。
飲食店なら会計の瞬間、美容室なら仕上がりを鏡で確認してもらった直後、工事やリフォームなら引き渡しの立ち会い時が狙い目です。BtoBのサービスであれば、最初の成果が数字で見えた打ち合わせの終わりが向いています。
逆に、しばらく経ってからメールで一斉に頼むやり方は反応が鈍くなります。記憶が薄れているうえ、営業メールのように見えてしまうためです。
「このタイミングで必ず声をかける」という1点を決めて、朝礼などで共有してください。ここが決まっていない店は、担当者の気分次第になってしまいます。
ステップ4|そのまま使える依頼の文例
口頭で頼むときの文例です。長くすると相手が身構えるので、20秒以内に収めます。
「本日はありがとうございました。もしよろしければ、Googleのクチコミで感想をお聞かせいただけると励みになります。こちらのコードから開けますので、お時間のあるときで大丈夫です」
メールの場合は、件名を「本日はありがとうございました」など事務的にしたうえで、本文の最後に1段落だけ添えます。
「今回のご対応について、率直なご感想をいただけますと今後の改善に生かせます。よろしければ、下記からGoogleのクチコミにお寄せください。良かった点も気になった点も、どちらも参考にさせていただきます」
「良かった点も気になった点も」と入れておくのが要点です。星5を求めていないと伝わるため、かえって書いてもらいやすくなります。
ステップ5|スタッフ全員が同じ言い方をできるようにする
仕組みが崩れるのは、たいてい人によって声のかけ方が違うときです。文例をA4一枚に印刷して、レジ裏やバックヤードに貼っておくだけで揃います。
そこには、頼む場面、読み上げる文例、絶対に言わないこと(特典に触れない)の3つだけ書きます。増やすほど守られなくなります。
月に一度、何件増えたかを朝礼で共有すると続きます。数字が見えると、声かけが「やらされごと」ではなくなるからです。
自社サイト側に載せる「お客様の声」の集め方も、考え方は同じです。あわせてご覧ください。

クチコミへの返信の書き方

Googleは、ローカル検索の順位を改善するヒントの中で「クチコミに返信」を項目として挙げています。フィードバックを重視していることを示せること、そして好意的なクチコミや役に立つ返信が注目度を高めるのに役立つことが理由として書かれています。
返信は投稿者ひとりに向けたものではなく、これから読む見込み客全員に向けた文章です。その前提で書き方を組み立てていきます。
すべてのクチコミに返信しなくてよい
意外に思われるかもしれませんが、Googleのヘルプには「返信はそれぞれ、1人だけでなく大勢の顧客に届くため、すべてのクチコミに対して感謝の意を公開する必要はありません」という趣旨の記述があります。必要に応じて返信する、というのが公式の考え方です。
「ありがとうございました」だけが100件並ぶページは、読む人にとって情報がありません。返信の数より、1本ごとの中身のほうが効きます。
実務としては、低評価と、具体的な指摘が書かれたクチコミには必ず返す。その他は、伝えたい新しい情報があるときに返す。この線引きで十分に回ります。
好意的なクチコミへの返信は「短く・具体的に・名前を添えて」
Googleが挙げている返信のコツは、丁寧かつプロフェッショナルに、簡潔に、ビジネスライクになりすぎず親しみをもって、というものです。長すぎる返信は読む気をなくす可能性がある、とはっきり書かれています。
もうひとつ、ヘルプが否定的なクチコミへの返信のヒントとして挙げているのが、返信に名前またはイニシャルを添えると信頼性が高まるという点です。これは好意的なクチコミへの返信でも有効で、店舗の返信が「担当:田中」で終わっているだけで印象はかなり変わります。
そして、お得な情報やプロモーションを提示する必要はない、とも書かれています。返信は営業の場ではなく、一度訪れただけでは分からない情報を伝える場だと考えてください。
そのまま使える返信文例(好意的なクチコミ)
飲食店で「ランチの魚が美味しかった」という投稿があった場合の例です。
「ご来店ありがとうございました。あの日の魚は市場から朝いちばんに届いたもので、仕入れの状況によって週替わりでご用意しています。次にお越しの際は、その日の一番をお伝えしますのでお声がけください。(店長・田中)」
お礼、投稿内容への具体的な応答、次に来たときの楽しみ、署名の4点だけで構成しています。3行に収まる長さが目安です。
士業や工務店など、来店型でない業種でも構成は同じです。「今回のご依頼は◯◯のケースで、同じご相談は年に数件いただきます」といった一言があると、読み手に情報が残ります。
低評価への返信は「謝る部分」と「説明する部分」を分ける
Googleは否定的なクチコミへの対応についても具体的に示しています。誠実に対応し、起きてしまったミスには誠意をもって応じる。ただし、自分たちに非がないことについては責任を負うことを避け、対応できることとできないことを説明する、という考え方です。
全面的に謝ってしまうと、事実と違う内容まで認めたことになります。逆に一切謝らないと、読み手には冷たく映ります。分けて書くのが解決策です。
あわせて挙げられているのが、投稿者の個人情報を公開しないこと、個人的な攻撃をしないこと、そして問題解決のためにメールや電話で直接連絡してもらうよう促すことです。公開の場でのやりとりは短く終えるのが原則になります。
返信を速やかに行うことも推奨されています。ただし、腹が立った状態で書いた文章は必ず角が立ちますので、下書きを一晩置いてから投稿する運用をおすすめします。
そのまま使える返信文例(低評価のクチコミ)
「予約したのに30分待たされた」という星2の投稿への返信例です。
「このたびはお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。当日は前の施術が長引き、ご予約のお時間に開始できておりませんでした。予約枠の間隔を見直し、遅れが出る場合は事前にご連絡する運用に改めております。詳しい状況をお伺いできればと思いますので、お手数ですがお電話でご連絡いただけますでしょうか。(店長・田中)」
謝罪、事実の説明、再発防止、個別連絡への誘導、署名という並びです。相手の名前や来店日を書かないことで、プライバシーにも配慮しています。
身に覚えのない内容だった場合は、「該当するご予約の記録が確認できておりません」と事実だけを述べ、確認のために連絡をお願いする形にします。相手を疑う言葉は書かないでください。
AIに下書きさせるときの使い方
2026年6月、GoogleビジネスプロフィールをGeminiから管理し、クチコミへの返信の下書きなどを対話形式で行える機能が案内されました。Googleビジネスプロフィールのヘルプにも「Google ビジネス プロフィールを Gemini ウェブアプリで管理する」という項目が用意されています。
ただし条件があります。ヘルプによると、対象はGeminiのウェブアプリで、オーナー確認済みのプロフィールを1つだけ管理している事業者向けとされ、欧州経済領域と英国は対象外と案内されています。段階的な提供のため、すぐには使えない場合もあります。
複数店舗を運営している場合は対象外になる可能性がありますので、自社の環境で使えるかどうかをまず確認してください。使える場合でも、下書きまでをAI、公開の判断は人、という線引きをおすすめします。
理由は単純で、AIは事実関係を知らないからです。「当日の状況」「実際に行った改善」は現場にしか分かりません。ここを埋めないまま公開すると、当たりさわりのない定型文が並ぶことになります。
悪質なクチコミへの対処|報告と再審査請求

事実無根の内容や、明らかな嫌がらせの投稿に当たってしまうことがあります。Googleには報告の窓口が用意されていますので、手順を知っておくと落ち着いて対応できます。
ただし、期待しすぎないことも大切です。何が消えて何が消えないのかを先に整理します。
削除されるのは「ポリシー違反のクチコミ」だけ
Googleのヘルプは、どのクチコミでも報告はできるが、削除の対象となるのはポリシーに違反しているクチコミのみだと明記しています。スパム、冒とく的な表現、なりすましなどが該当します。
そのうえで、内容に不満がある、気に入らないという理由だけで報告しないよう求めています。Googleは事業者とユーザー間の紛争には関与しない、という立場も併記されています。
否定的なクチコミは改善できる側面を示している場合があり、必ずしもサービスの質の低さを示すとは限らない、とも書かれています。まずは返信で対応するのが基本線だと考えてください。
報告の手順(管理画面から)
いちばん簡単なのは、ビジネスプロフィールの管理画面から報告する方法です。ビジネスプロフィールを開き、「クチコミを読む」を選びます。
報告したいクチコミの横にある報告アイコンを選び、理由(スパム、冒とく的な表現など)を選択して「報告を送信」を押します。ここまでで手続きは完了です。
Googleは、クチコミの評価には通常数日かかると案内しています。送信した直後に結果を確認しても何も起きていませんので、数日は待ちましょう。
クチコミ管理ツールと3つのステータス
報告した内容の進み具合は、Googleの「クチコミ管理ツール」で確認できます。表示されるメールアドレスを確認し、自社のビジネスを選んで進む流れです。
ステータスは3種類あります。まだ審査されていない「判定待ち」、審査の結果ポリシー違反が見つからなかった「審査完了 – ポリシー違反なし」、そして再審査がエスカレーションされ最終判断がメールで届く「エスカレーション済み」です。
「ポリシー違反なし」で止まったままのケースが実務では最も多く、ここで諦めてしまう方が少なくありません。ただ、もう一段だけ手が残されています。
1回限りの再審査請求の出し方
報告したクチコミが削除に該当しないと判断された場合、Googleは1回限りの再審査請求を認めています。同じくクチコミ管理ツールから、「報告したクチコミのステータスと再審査請求の方法を確認したい」を選んで進みます。
画面下部の「条件を満たしているクチコミに対して再審査を請求」から、対象のクチコミを選びます。選択できるのは10件までで、その後フォームに情報を入力して送信します。
結果はメールで届きます。ポリシー違反と判断されれば削除され、準拠していると判断されれば公開されたままになります。
1回限りである以上、思いついた順に出すのではなく、明らかに違反していると言えるものをまとめてから請求したほうが得策です。
金銭を要求される「クチコミ恐喝」への対処
低い評価を付けたうえで、消してほしければ金銭を払えと要求してくる手口があります。Googleはこれを個別の問題として扱っており、「ビジネスプロフィールでの否定的なクチコミによる恐喝詐欺を報告する」というヘルプ項目を用意しています。
通常の報告とは別枠で申告できますので、該当する場合はそちらを使ってください。要求に応じて支払うのは、次の要求を呼び込むだけです。
やりとりの記録(メール、メッセージ、電話の日時)は必ず残しておきます。悪質なケースでは法的な対応が必要になりますので、弁護士など専門家にご相談ください。
正当なクチコミが自動検出で消えることもある
逆のパターンもあります。Googleはスパムと識別されたクチコミを削除するために自動検出を使っており、その結果として正当なクチコミを削除してしまうことがある、と自ら認めています。
「昨日いただいたクチコミが今日は見えない」という相談は、この自動検出が原因のことが少なくありません。Googleはこうした場合、サポートに問い合わせるよう案内しています。
この点でも、短期間に不自然な集め方をしないことが結局は近道になります。実際のお客様に、それぞれのタイミングで、自分の言葉で書いてもらう。遠回りに見えて、消えないクチコミが残るやり方です。
続ける仕組みと効果の測り方

クチコミ集めは、始めるより続けるほうが難しい取り組みです。手応えが見えないと、現場の声かけは3週間ほどで止まります。
そこで、目標の置き方と、確認すべき数字を決めておきます。ここまでやって、ようやく仕組みと呼べる状態になります。
月に何件を目標にするか
件数の正解はありませんが、目安として同じ地域の同業3社を調べ、その平均を上回る水準を1年後の目標に置く方法があります。地図で店名を検索すれば、件数と平均評価はすぐ確認できます。
たとえば近隣3社が40件・60件・25件なら、平均はおよそ42件です。現在10件なら、月3件を12か月続ければ届く計算になります。
月3件は、1日あたり0.1件です。声をかける場面が決まっていれば、無理のない数字だと分かります。
一気に増やそうとしないこと。短期間の急増は自動検出の対象になりやすく、結果として残らないためです。
星評価の反映には最大2週間かかる
Googleのヘルプでは、クチコミスコアはそのビジネスについて公開されているすべての評価の平均値だと説明されています。そのうえで重要な注意書きがあります。
新しいクチコミが投稿されてから、クチコミスコアが更新されるまで最大で2週間かかる場合があるとされています。星4.2が4.3に変わらないからといって、その日のうちに慌てる必要はありません。
また、他のクチコミサイトの情報がプロフィールに表示されることもあります。自社で把握していない評価が出ている場合は、この仕組みによるものかを確認してみてください。
プロフィールのパフォーマンスで数字を確かめる
クチコミが増えたあとに見るべきは、星の数そのものではなく行動の数です。ビジネスプロフィールのパフォーマンス画面では、表示された回数、ウェブサイトのクリック、ルート検索、通話といった数字が確認できます。
クチコミが効いているなら、表示回数よりも先にクリックや通話が動きます。同じだけ表示されているのに問い合わせが増えたなら、選ばれる確率が上がったということです。
月初に前月分をメモしておくだけで、半年後には立派な推移データになります。特別なツールは要りません。
サイト側の検索順位もあわせて見る
地図での見え方が良くなっても、通常の検索結果で自社サイトが見つからなければ取りこぼしが出ます。「地域名+サービス名」で自社サイトが何位にいるかは、別に把握しておきたい数字です。
手作業で毎週調べるのは続かないので、記録は自動化するのが現実的です。順位チェックツールの選び方は、次の記事で比較しています。

クチコミの件数、パフォーマンスの数字、サイトの順位。この3つを同じ月次のシートに並べておくと、何が効いたのかが後から読み取れるようになります。
よくある質問(FAQ)
クチコミを書いてくれた方に、お礼として割引をするのはだめですか?
Googleのポリシー上は避けるべき行為です。クチコミの投稿と引き換えに無料または割引価格で商品やサービスを提供することは、虚偽のエンゲージメントと見なされ固く禁じられている、とヘルプに明記されています。
お礼を伝えたい場合は、金銭的な価値のない形にしてください。返信で丁寧に応じる、次回来店時に一言お礼を述べる、といった対応であれば問題ありません。
事実と違うクチコミを書かれました。すぐ消せますか?
すぐには消せません。削除されるのはGoogleのポリシーに違反しているクチコミに限られ、事実と違うというだけでは削除の理由になりにくいのが実情です。
まずは冷静な返信で事実関係を短く示し、あわせて報告を送ってください。「ポリシー違反なし」と判定された場合は、1回限りの再審査請求という手段が残されています。
クチコミが増えれば、必ず地図で上位に出ますか?
必ずとは言えません。ローカル検索の順位は関連性・距離・知名度の組み合わせで決まるため、クチコミだけを増やしても距離や関連性の条件が変わらないケースがあるためです。
ただしGoogleは、クチコミ数が多く評価の高いビジネスはランキングが高くなると説明しています。業種設定や営業時間、写真といった基本情報を整えたうえで積み上げるのが、遠回りに見えて確実な進め方です。
星1のクチコミにも返信したほうがよいですか?
返信したほうがよいと考えています。返信を読んでいるのは投稿者だけではなく、これから来店を検討している人だからです。
誠実に事実を説明した返信が添えられていれば、低評価そのものがマイナスに働きにくくなります。感情的な反論は逆効果になりますので、下書きを一度置いてから投稿してください。
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まとめ|クチコミは「頼み方」と「返し方」で差がつく
Googleは、ローカル検索の順位が関連性・距離・知名度で決まり、知名度はクチコミの数や評価に支えられていると説明しています。クチコミ集めは、感情の話ではなく、見つけてもらうための土台づくりです。
一方で、見返りと引き換えの依頼は虚偽のエンゲージメントとして固く禁じられています。2026年7月には自社サイトのレビュー構造化データにも同じ基準が示され、抜け道は狭まりました。
やることは単純です。クチコミ用のリンクとQRコードを作り、置き場所を4か所決め、声をかける場面をひとつ決める。返信は、低評価と具体的な指摘に絞って、短く具体的に名前を添えて返す。
今日できることを1つ挙げるなら、パソコンからビジネスプロフィールを開いて、クチコミ用のQRコードを保存してみてください。これがないまま「増やそう」と話し合っても、現場は動きようがありません。
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